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2019年9月29日

星組「GOD OF STARS-食聖-」感想 とちょこっとレビュー感想

2019年9月21日ソワレ、サンケイリビング貸切公演を観賞して参りました!
ポスター画像を見た瞬間から「何コレ、ジャ〇プかサ〇デーの料理漫画みたい!!めっちゃ観たい!!!」と思っていた星組公演でしたが、思った以上にハチャメチャで(誉めてます)超~~~~楽しかったです!!
「湿っぽいサヨナラ公演にしたくない、最後は賑やかに終わりたい」という紅さんの想いに、作・演出の小柳先生が2000%の想いで応え、愛と笑いと温かい涙で溢れる作品に仕上がっていましたね。
べにあーコンビ作品を全て見ているわけではないんですが、今まで観た中ではダントツで好きな作品になりましたw

「食聖」を観る前に一番気になっていたのは、主人公のホン・シンシン=紅孩児という設定。
「主人公のホンは天才料理人だけど過去の記憶がないよ!!」ってのは分かる。
「舞台が現代のシンガポールで、アイドルグループも複数登場するよ!」ってのも分かる。

でもキャスト一覧に「牛魔王」やら「鉄扇公主」やらがいるのはマジで意味分かんないんですけど???

というわけで、観る前は「もしかしてホンが紅孩児の生まれ変わりとかそういう話なのかな~?」と思ってたんです。
舞台映像をチラ見したら、こっちゃん(礼真琴)も孫悟空の格好をしていたから「紅孩児の生まれ変わりのホンと孫悟空の生まれ変わりのリーが、現代のシンガポールでバチバチの(料理)バトルを繰り広げるってことかな?」とかとかとか。

したらま~、そんな遠回しな表現は一切なかった!!何という潔さ!!!(笑)

本当にホン=紅孩児だったし、現代だろうと牛魔王が普通~に出てきて屋台でご飯食べちゃうっていうwww
そんなトンデモファンタジー…のようで、変に誤魔化しがない分「何でもアリ」な世界観が成立しているのが小気味よかったですね!そうだよねぇ、こういう何でもアリな世界観で中途半端に整合性(それこそ「現代に牛魔王は馴染まないから転生モノにしよう」とか)を取ろうとすると、却って寒々しいというかイタイ感じになっちゃったりするもんね。小柳先生の思い切りの良い世界観と、それを全力でパワフルに演じる星組のパワーが合わさって、最初から最後まで本当に楽しかったな~!!

個人的に、こういうトンデモ世界観の作品で肝になるのって、リアリティをどこで出すかってことではないかと思っています。舞台に限らず、面白いフィクションって虚構と現実のバランスが良い作品だと思うんですよ。
たとえば、世界観がファンタジーとか「こんな世界、現実にはない…けどあったらいいな」という虚構色の強い作品であれば、ドラマ(登場人物たちの感情表現など)はリアルに描くとか。
逆に世界観が現実味の強い現代作品であれば、ドラマ部分は「こんな都合の良い展開、現実にはない…けどあったらいいな」と夢のある話にするとか。
ファンタジー世界で夢見がちなフワフワ展開だと「ありえなさすぎ」と冷めてしまったり、現実世界で夢も希望もない展開だと「世知辛すぎ」とやはり冷めてしまったりする。勿論、どちらも悪いわけではなく「とことんファンタジー!」「とことんリアリティ!」な作品にも面白い作品は沢山あります。
それでもやはり、虚構と現実のバランスが良い作品って万人受けしやすいというか、誰がいつ見ても楽しめる良さがあると思うんですよね。

「食聖」でいうと、世界観はファンタジー寄りながらも、SNSやアイドルという現代らしさもあり。
ストーリーもコミカルではあるけども、恋や家族愛という共感しやすい人間関係もしっかり描いている。
そしてドタバタコメディでありながらも、宝塚らしい品の良さはきちんと残っている。

完全オリジナルの宛書で、あれだけキャラの濃い人物を沢山登場させつつ、話も面白い(かつ小柳先生ご本人の趣味嗜好(笑)も活かせる)作品を作れるって凄いな…しかも駄作が多いとされるトップの退団作でw
まぁ、アイリーンがホンに惚れたきっかけがよく分からなかったりもしたけど…それくらいは許容範囲かな。全く想像もできないってわけでもないし。

そして何より、小柳先生が書かれた台詞の端々にトップコンビと星組への深い愛が感じられたのがとてもとても良かったです!!
至る所で笑わせにくるのに、「星なんていらない。お前にくれてやる」なんて台詞をトップ→次期トップに言わせるのホントずるいわ~!!そんなん泣いちゃうよ!!
主題歌も中毒性があるというか、さすがヒャダイン氏という感じ。今回振付に参加された梅棒さんはよく存じ上げないものの、アイドルシーンの振付は「めっちゃアイドルっぽい!!」と大変興奮いたしました(笑)
あ、あと最後の大・団・円!!って終わり方も凄く良かった!舞台上に人が沢山いすぎる上に、それぞれが好きにお芝居してるからもう全然目が足りないんだけどwwwそういうワチャワチャ感がとても温かくて、素敵なラストシーンでした!!

べにあー率いる星組の皆さま、そして小柳先生、とっても楽しくてハッピーで元気がモリモリ湧いてくる素敵な作品を本当にありがとうございました!!

以下、ふんわりキャスト別感想です。


☆ホン・シンシン@紅ゆずる

正~~~直申しあげまして、苦手なジェンヌさんでした。
というのも、べにさん(紅ゆずる)お披露目「スカーレット・ピンパーネル」のパーシー・ブレイクニーが受け入れられなかったから。べにさん演じるパーシーが私の中のパーシー像と全く合わなかったんですよね~…でもべにさんご本人はパーシーをノリノリで演じてらっしゃる上に「生まれ変わってもパーシーを演じたい!」というようなことをおっしゃってるのを見て「せ、拙者には受け入れがたく候~~~!!!!!」と白目むいてぶっ倒れそうにもなりました。
それが「ANOTHER WORLD」を見た時に、オリジナルキャラクターであればべにさんの奔放さや軽妙さがプラスに働くんだなと気付き。今回の「食聖」でそれが紅ゆずるというスターの魅力なんだ、と今更ながら気付いた次第です。
劇中の「今いる場所で輝けば、いつか必ず結果が出る」という台詞や、アイリーンの「完璧だから素晴らしいんじゃない、足りない部分は補い合えばいい」というような台詞(うろ覚えです)。これは技術面で叩かれることも多かったべにさんや、べにあーコンビ、引いては全てのタカラジェンヌへの小柳先生からの応援メッセージなのかなと思いました。
べにさんは本当に良い意味でも悪い意味でもクセの強い方だけども、そんなべにさんだったからこそこんなに面白い作品が生まれたんだよなぁ…と思うと、本当にありがとうございましたという気持ちで一杯です!我が強くて俺様な面もありつつも、情に厚くて気付けば沢山の人に囲まれて笑っている。そんなホンの姿とべにさんご本人が重なる、とても素敵なお役でしたね!

あ、あとサンケイリビング貸切公演の終演後インタビューで、「宝塚はけして敷居が高くない、ということを伝えたい。もっと近くでお客様に宝塚を楽しんでほしくて、ショーでの客席降りも多くしてもらってきました」というようなことをおっしゃっていたのを聞いて、自分の信念をきちっと貫いてきた方なのだなとも感じました。
退団後はどういう道に進まれるのかなぁ…分かりませんが、べにさんの新しい道にも笑顔が溢れていますように!!


☆アイリーン・チョウ@綺咲愛里

小柳先生の萌えツボが全部詰め込まれたようなキャラクターだなぁ…と思いながら観ていました(笑)
勝ち気で無鉄砲、腕っぷしも強いけど恋に落ちると可愛い面も見せる美少女(※料理はど下手)ってもう少年漫画の王道ヒロインキャラですよね!しかもビジュアルがピンクのロングヘアーて!!オリジナル作品なのに二次元から飛び出てきた感が凄い!!
最後の料理対決で着てきたコスチューム姿が完璧すぎて、あの服着こなせるあーちゃん(綺咲愛里)スゲェ~!!と心の中で拍手しましたわ。あのビジュアルは強い。
お芝居や歌の声がヘロヘロしているのがやっぱり残念ではあるんだけど…退団公演がウルトラハッピーエンドを迎えられるお役で良かったねぇと温かい気持ちになったので、もうその辺は考えないでおこう、うん(笑)


☆リー・ロンロン@礼真琴

ポスター画像の印象や「ホンを裏切る」という設定から、悪い奴なのかな?と思ってたらめっちゃヘタレキャラでとっても可愛かったwww
天才だけど気弱でへたれな眼鏡くんが、憧れの女性のために俺様キャラになって頑張る…んだけど、ふとした瞬間にへたれキャラな面が出てきてしまうというコミカルなキャラクターがすごく魅力的でしたね~!!キャラクターの変化で声色や歌い方をガラッと変えるところもさすがの巧みさでした。
ただ、ホンがべにさんと重なって見えたように、リーもこっちゃんと重なって見える部分はあって…「首席の優等生」であるが故の苦労とか悩みとか絶対あると思うから、舞台を観ていてこっちゃん自身が何だか心配になってきてしまって…。
なので食聖コンテストの後、ひっとん(舞空瞳)演じるクリスティーナが「元々の貴方が好きよ」というようなメッセージを伝えに来てくれるところを見て「良かった~!!!!!」と心から思いました!こっちゃんがこれからトップとして背負う様々な重荷を、一緒に背負って支え合う相手がひっとんで良かったなぁと。どちらも「何でもできちゃう人」だからこそ、分かり合える部分があればいいなってね。勝手に思っちゃったんですよね、へへっ。
こっとんコンビが、リーとクリスティーナのような素敵なコンビになりますように!星組の次期トップコンビに幸あれ~!!


☆クリスティーナ・チャン@舞空瞳

かっわいい!!!!!!!!!!!!!!!!!!(卒倒)
と、出てきた瞬間ハートを撃ち抜かれました…ああ~可愛い~可愛くて可憐で美しいよひっとん~!!!
クリスティーナとエクリプスは「SUPER MONKEY'S」がモデルなのかなぁ?雰囲気とかキャラクター設定とかアムロちゃんみたいだったし、その設定に負けない圧倒的な存在感を放つひっとんの凄さよ…つい目で追っちゃう華やかさがあるんですよねぇ。花組の「CASANOVA」で、娘役が集団で踊る場面が何回かあったんだけど、沢山娘役がいる中でつい目で追っちゃうのがひっとんでした。
食聖コンテストでのライブパフォーマンスシーンも良かったな~!!ノリノリの曲を聴きながら「何で私キンブレ振ってないんだろう!?アッここが宝塚だからだわ!!」と我に返りましたwいやでもあれは立ってキンブレ振りたい場面よね…(パラダイスプリンスの場面もだけど)
ひっとんは学年も若いし、組替えで来たことで反感を買うこともあるかもしれないけど、本当に素敵な娘役さんだと思うのでこれからのご活躍がとてもとても楽しみです…!星組で更に輝くひっとんが観られますように~!!


☆ニコラス@瀬央ゆりあ

ちゃ、チャラ~い!!小柳先生が大好き(なんじゃないかと思ってる)なチャラ男キャラだ~~!!!(笑)
てことで見た目もチャラければキャラもチャラめ、でも何だかんだ面倒見はよかったり、リーダーの役目もきちんとこなす愛されキャラって印象でした。そしてあのよく分からない髪色(紫?)が似合っちゃってるせおっち(瀬央ゆりあ)が凄い!!
アイリーンの髪色も凄いけど、ニコラスの髪色も凄いよな…なんつー派手で美しい従兄弟同士なんだwww
ニコラスを中心としたパラダイスプリンスはご当地アイドルってことで、クリスティーナ&エクリプスとは対照的なガムシャラ感があったのが良かったです。彼らのライブシーンもキンブレ振りたかったwww
せおっちはスラっと背が高くて遠目から見てもカッコいいし、目が大きくてお顔も端正だし、歌もすごく良くなってて「今めっちゃ伸びてます!!」て感じが伝わってくるスターだなぁと思いました。
これからどんなスターになっていかれるのか楽しみだな~!!

あと、華形ひかるさんのエリックが悪役かと思いきや結構良い奴だったり、インパクト絶大な汝鳥伶さんの牛魔王様が滅茶苦茶キュートだったり、朝水りょうさんのシェフ姿(と女の子を口説きまくってる姿)にときめいたりと、本当~に色んな要素を楽しめた公演でございました!!イェーイ!!

※余談ですが、一緒に観劇したオタ友に「今、朝水りょうさんが気になってて~あのフランス人シェフを演じてた方」と観劇後に話したら「ああ、ヘタリアのフランス兄ちゃんみたいだった人?」と言われて「わ、わかるwwwww」と吹き出しながらも滅茶苦茶腑に落ちたことを書いておきます。マジフランス兄ちゃんっぽくて素敵だったわwwww

※レビュー「Éclair Brillant」も滅茶苦茶良かったので感想を書きたかったのですが、ちょっと難しそうなので少しだけ下に書きます。

ツイッターにも書きましたが、クラシカルながら古臭さは全くなく、構成も振付も選曲も素晴らしく、とても上品で華やかな素晴らしいレビューでした!!特にこっちゃん&ひっとんのダンスシーンと、ボレロの場面、最後の黒燕尾の場面が最っっっっっ高!!!!!

こっちゃんとひっとんのダンスはとにかく美しく、軽やかで優雅。二人とも何でもできちゃう方々だけど、一番凄いのはやっぱりダンスなのかな…2人のシンクロぶりも凄かったし、空気が舞っている…て感じでした。こっとんコンビのデュエダンもめっちゃ楽しみだわ~!!

ボレロの場面は、2回目観劇時に2階席センターで観たんですが圧倒されました…本当に凄かった。衣装も舞台装置もシンプルなのに、ボレロの音楽が持つ力強さと、星組生の放つ圧倒的なエネルギーと団結力が合わさって、ダイナミックで華やかな素晴らしい場面になっていました。お金と時間とチケットさえあればボレロの場面観るために何回でも通いたいと思ったくらいに!!(残念ながらどれもないwww)

黒燕尾の場面もね、「風林火山」の三味線バージョンがも~凄くカッコ良くて…ああいう和風アレンジ曲で黒燕尾群舞ってのも素敵だなと思ったし、べにさんが劇場の床をそっと撫でる振付は泣けちゃった…;;;

そして最後のデュエットダンス。すっごいイチャイチャしてるぅ~wwwと思いながら見てましたが、銀橋であーちゃんを抱きしめたべにさんが「あ~幸せ~」という感じでフッと笑う姿を見て、素敵なトップコンビだなぁと胸が温かくなりました。
べにさん、あーちゃん、改めましてご卒業おめでとうございます!!東京楽のその日まで、二人のハッピーオーラで劇場が満たされますように!!

2019年5月14日

星組全ツ「アルジェの男」感想

※以前ぷらいべったーに掲載した文章の再掲です

2019年5月12日、星組全ツ「アルジェの男/ESTRELLAS」の神奈川公演を観てきたよ!
「アルジェの男」は初見だったんですが、主人公も二番手も悪い男ってことだけ頭に入れて観に行きました。

いやーーーー見事なKUZU男たちでしたね~~~!!!特にジャック!わっるい!!

初演が1974年とのことでやはり昔の作品っぽさはありましたが、見ごたえはあったし最後までハラハラドキドキしながら楽しめました。
一応あらすじを書くよ(後で自分で読み返す用なので読み飛ばしてOKです)


舞台は第二次世界大戦前、フランス占領下のアルジェリア。「いつか一流の男になってやる」という野望を抱く不良青年ジュリアン(礼真琴)は、ある日同じく不良でジュリアンとは折り合いが悪いジャック(愛月ひかる)から賭けを持ち掛けられる。それはアルジェリア総督ボランジュ(朝水りょう)の財布を掏れるかどうかというもの。ジャックにけしかけられたジュリアンは、恋人のサビーヌ(音波みのり)の心配もよそに賭けに乗る。
「スリは失敗したことがない」と豪語するジュリアンだったが、ボランジュ総督はあっさりジュリアンの手口を見破りジュリアンを捕らえてしまう。警察に突き出されることを覚悟するジュリアンだったが、ボランジュは何故か彼を自分の屋敷に招き入れる。そこでボランジュは、かつては自分もただの不良だったこと、悪党で伸し上がれる者はごく僅かであることをジュリアンに語り、その炎のような野心を自分の教えるやり方で叶えてみせろと諭す。始めは反抗的な態度を取っていたジュリアンも、ボランジュの言葉を受け入れ、彼の元で伸し上がる決意をする。
そんなジュリアンの変化をジャックや不良仲間たちはからかい、暴行を加えるが、サビーヌがかばったことで難を逃れる。そこでジュリアンが総督と共にフランスのパリへ渡ることを知るサビーヌ。サビーヌは旅立つジュリアンに寂しさを感じながらも縋るようなことはせず、彼の成功を祈って送り出すのだった。

それから5年後、ボランジュの秘書官として将来を有望視されるようになったジュリアン。
パリの社交界でも人気を集める彼に、ボランジュは自分の娘エリザベート(桜庭舞)の婿としてジュリアンを迎え、後継者にしたいと考えるようになっていた。プライドの高いエリザベートは元々不良だったジュリアンを見下し、全く興味がない風を装っていたが、それはジュリアンに惹かれていく心の裏返しでしかなかった。
一方で、パリ社交界の花形シャルドンヌ婦人(万里柚美)もジュリアンを気に入り、可愛がっている盲目の姪っ子アナ・ベル(小桜ほのか)を幸せにしてくれるなら政界進出を後押しするとジュリアンに持ちかける。純真なアナ・ベルはジュリアンを優しい好青年と思い、一途に慕い始めるが…そんなアナ・ベルを、付き人のアンドレ(極美慎)が複雑な思いで見守っていた。
そんな時、ジュリアンは偶然訪れたパリのナイトクラブでダンサーとして働くサビーヌと再会する。成功していくジュリアンをせめて近くで見守りたかったと話すサビーヌに胸を打たれるジュリアン。しかしそこへジャックも現れ、「今、サビーヌは俺の女だ」と告げ…。


とかそんな感じの話です。ざっくり書くつもりが長くなってしまった!
不良(というかイメージは893?)だった主人公が、カタギの道で成功していこうとするも昔の悪行が枷となり、更に複雑な女性関係も絡んできて~と何とも泥臭いドラマ。だがそれが良かった!
以下キャストごとの感想です。


☆ジュリアン@礼真琴

ジュリアンを演じたこっちゃん(礼真琴)、本当に何を演じても上手い方ですね…歌も芝居もダンスも、何という安心感!
アルジェのチンピラだったジュリアンが、パリではすっかり洗練された紳士に。でもその心の裡では変わらぬ野心が燃えていて…というのが滅茶苦茶ハマってました。こっちゃんの低音ボイスがまたかっこいい…!!
全てが良かったですが、特に印象的だったのはアナ・ベルを誘惑する場面。カウチに並んで腰かけて、アナ・ベルを篭絡しようと手を取るんですが…その撫で方のまーエッロいこと!!(笑)
すぅっと腕に手を這わせるだけであれだけドキッとさせられるって、あれぞ男役の妙技なのだろうな~!!とガン見しちゃいました。手って本当に色気が出ますね。アナ・ベルちゃん、盲目な上に生粋の箱入り娘だからな…ありゃ落ちるわぁ…。
一方で、エリザベートの扱いは粗野というか、いきなり腕をガッと掴んだりとそこら辺の温度差もゾクッとしましたね。あー本当に、自分を小馬鹿にしている女を見返したいだけで、女としての興味は一切ないんだろうな~っていうのが口に出さなくても分かるっていう。全く心のこもっていないエリザベートへの「愛してる」とかさ…悪い男だよジュリアンも、あーあ!
しかしこっちゃん、上手すぎて浮いてしまうのが一番の難点なのかも…パリの夜会で男役数人がソロで歌った後こっちゃんも加わって一緒に歌う場面があったんですが、こっちゃんが歌い始めた途端「!?マイクの音量3倍にされた!?」てくらい声量が違いすぎて。大劇場公演だとまた印象も変わるかな…。

あ、あとついでにお話の終わり方についてなんですけど。身から出た錆と言えばそれまでなんだけど切ないですね…ジャックが最後までKUZUなのに対して、ジュリアンは真の愛に気付けた辺り主人公だなって感じでしたが。
しかしジュリアンが撃たれたと思ったら幕が下りてきてしまい、「え、誰!?誰が撃ったの!?ちょ、幕下りてきちゃってますけど!?だれ…あー!!お前かー!!!!」で終わるの滅茶苦茶ハラハラしました…!(笑)席が上手側だったのもあって、中々撃った相手が見えなくてさ!しかしすごい終わり方だなぁ…あんなに幕が下りてくるのに焦った観劇も初めてだと思う。
まさに衝撃の「幕切れ」でした。


☆ジャック@愛月ひかる

すっごく良かったです!!星組との親和性が滅茶苦茶高いと思いました!!
すごく良かったと言いつつ、演じてらしたのがKUZUの極みジャックなので何かちょっと褒めにくいんですが…(笑)
でもジャックが悪に徹する程、カタギを目指すジュリアンとの対比が面白くなる作品ですよね、これ。
なので「うわージャックって嫌な男だなー!!」て思わせれば思わせるほど、役としては大正解だと思うわけです。
というわけで愛ちゃん(愛月ひかる)ジャック、ホンット~~~に最低で嫌な男でした!!!(笑)
でもさ~嫌な奴なんだけど、立ち姿はシュッとしていてかっこいいし、悪い男の魅力に溢れてるんだよなぁ。
こっちゃんがとにかく上手くて圧倒的な存在感のある方なので、ジャックが弱いとお芝居としてもしまらなかったと思うんですよ。そういう意味でも、愛ちゃんがこの公演に参加されたのって凄く良い効果を生んだんじゃないかと思います。

あと、個人的にこっちゃんて陽の魅力に溢れた方だと思うのですが、愛ちゃんには陰の魅力があるなと思ったので二人の並びは対照的でとても良かったと思います。
学年逆転問題は起こってしまうけど、愛ちゃんは星組に移ってこっちゃんの二番手になっても良かったのではと思ってしまった…それくらい、ことあい相性良いなって思ったんですよ…また何かの形で共演が観られるといいな~。


☆サビーヌ@音波みのり

陰でジュリアンを支え続けるヒロイン、サビーヌをとても魅力的に演じてらっしゃいました!
星組観劇歴が浅すぎて音波さんをよう知らず…恐縮ではありますが、サビーヌの献身的な愛し方って「年上彼女」感があると思ったんですよね。なんかこう危なっかしい年下の彼氏を放っておけなくて、つい見守っちゃう感じ…。
なので上級生がこの役を演じるってぴったりなのでは?と思いました。
それでいて音波さん、可憐で初々しい雰囲気もあるんですよね。サビーヌってしっかりした大人の女でダンサー姿なんて超かっこいいし色気もあるけど、ジャックみたいな悪い男に付け込まれる隙もあるわけで…そんな危なっかしさもちゃんとある、みたいな。
ジュリアンを守るために、自分の手でジャックにケリをつけるところなんかすごく良かったなぁ…手は汚しちゃったけど、良い女だと思うのでサビーヌには幸せになって欲しいよ…。


☆アナ・ベル@小桜ほのか

アナ・ベル~~!!可愛いよアナ・ベル~~!!ジュリアンみたいな悪い男に騙されちゃダメだアナ・ベル~~!!!!!
という気持ちでずっとハラハラしながら舞台を見守ってしまった…小桜さんのアナベル、無垢で可憐な雰囲気がとても良かったです。
そして歌声がとっても綺麗~!!
とはいえその美しい歌声が聞けるのは、ジュリアンの裏切りを知る悲しい場面でもあるわけですが~…アナ・ベルの美しくも切ない歌声と、ジュリアンへの怒りを押し殺しながら健気にアナ・ベルを支えるアンドレの背中が泣けた…。
…ただすみません、この場面でアナ・ベルが「湖の近くの別荘に行く」と話しているのが、湖に身を投げることを暗喩しているってのはさっぱり分かりませんでした…後から友達に聞いて「あーそういう意味だったんか!!」とガッテンガッテン。だからあのラストシーンに繋がるのね、なるほど…。
良家のお嬢様が悪い男に利用されて純情を踏みにじられ、傷心の中ひそかに命を絶つ…ってやっぱり時代を感じてしまう展開だけど、こんな詩的な表現も今の時代ではあまり見ないよなぁ。「エルベ」もそうだったけど、昔の作品ならではの奥ゆかしさや魅力ってありますね。


☆エリザベート@桜庭舞

元雪娘の桜庭さん!今回、3人のヒロインのうちの一人を演じられるということで楽しみにしていました。
エリザベートはツンデレ枠というか、ジュリアンに惹かれてはいるもののプライドの高さが邪魔をして中々素直になれないという役どころ。なので最初の方は「綺麗だけど鼻持ちならない女」感が強いんだけど…ジュリアンの出自を知っている上に、初対面があれじゃあねぇ…。彼女はお父さんが若い頃ワルだったってことも知らなさそうだし、どうして総督の娘である自分がこんな不良男と!?と意地を張っちゃうのも分かる気がする。ましてや親が2人を結婚させようとさせてるとなると、余計に反抗心が生まれちゃうだろうし。
そんな複雑な女心を繊細に演じてらっしゃいました。ジュリアンに惹かれていることを認めるのは苦しかったろうなぁ…これがラブコメだったら、エリザベートが素直になったことでジュリアンと結ばれてハッピーエンドになったかもしれないのにね。はぁ。残念ながら相手がKUZUなんですよ…。
役柄的に3ヒロインの中では一番微妙な立ち位置に感じましたが、歌もお芝居も良かったので今後ますますのご活躍をお祈りしております!


☆ボランジュ総督@朝水りょう

正直に言います…今回一番萌えたのは朝水さんのボランジュ総督です!!めっっちゃかっこいいんですけど~~!!??
登場してきた時、ただの老け役だと思って本当にすみませんでした…ジュリアンのスリを未然に防いで腕をひねり上げ、更にナイフの攻撃をかわした上でステッキで難なく撃退。その立ち回りがカッコ良くてヒョエ~と思っていたら、屋敷に戻って何気なくくつろぐ姿がまた渋かっこいいのなんの!!そして「この人、今でこそ立派な紳士だけど若い頃は相当のワルだったんだろうな…」と感じさせる危険な男の色香もあり…思わずオペラを覗けばお顔も端正ときたもんですよマジか。とんでもないイケオジと出会ってしまったぞ。
そんなんでもー休憩時間になってすぐにお名前を調べました。ら、なんとびっくりこっちゃんより下級生だった!マジかー!!
あの渋カッコよさ、埋もれさせるには余りに惜しい…ので、今後の更なるご活躍をお祈りしまくります!!またイケオジ役があれば大変嬉しいです劇団様、何卒何卒!!

と大分長くなってしまったのでこの辺で…とにかく朝水りょうさんのボランジュがカッコ良かったという話がしたかったんだ私は。
ショーの感想も書きたかったものの書き損ねたので一言だけ!
こっちゃんSUGEEEEEEEE…!!!以上です!!