2019年10月22日

花組「A Fairy Tale -青い薔薇の精-」感想

2019年10月20日、花組「A Fairy Tale -青い薔薇の精-/シャルム!」を観劇して参りました!
いやぁ何というか…お芝居もショーも内容的には「ウーン??」と首をひねってしまう点が色々あったんですが、どちらも最後には必死で嗚咽を堪え、肩を震わせながらべっちょべちょに泣いてしまったという(笑)

あー私、明日海りおさんと、彼女が率いる花組が大好きなんだなぁ…と改めて実感した。そんな公演でした。

とりあえず、お芝居の「青薔薇」を書こう~と内容を思い返してみたのですが。
一言で言うと、「超~華やかで美しく、出演者のレベルがめっちゃ高い学芸会」って感じの内容でしたね…!!内容うっっっっっっす!!!!(笑)
植田景子先生が、「みりおさん(明日海りお)を薔薇の精にする」という思いつきだけで作った舞台って感じ??
単純明快(すぎる)筋書きとか、どストレートすぎる(説教臭い)メッセージとか、穴だらけの設定とかとかとか。個人的な印象としては、景子先生が描きたい場面がいくつかあって、その場面と場面をつなぎ合わせて作った話なんだろうなと思いました。なのでつなぎ合わせで作った部分は穴だらけ、みたいな。

お話は「白い薔薇の精・エリュが、かつて出会った人間の少女・シャーロットに【忘却の粉】を振りかけないまま別れてしまったため青い薔薇の精にされてしまった。元の姿に戻るため、精霊が見える人間・ハーヴィーの手を借りてシャーロットを探す」ってだけの内容。
まぁ別に複雑なストーリーである必要はないけど、まず「青い薔薇の精にされる」ことがどれだけ恐ろしいことなのかってのがよく分からない。「エリュだけがどこか違う世界に囚われてしまっている」とかそういう事情があれば元の精霊に戻りたくなるのもまだ分かるけど、別に青くなっても精霊の仲間は常に一緒にいるし。エリュが罪を犯したせいで世界中の薔薇が咲かなくなった、とかそれくらい切羽詰まる事情があってもよかったんじゃない?と思う。
それか、「エリュにとってシャーロットとの思い出がつまった庭を、昔の姿に戻したい」って理由で精霊たちがシャーロットを探すなら分かるんだけど、荒れた庭に薔薇を咲かせたいと思っているのはハーヴィーたち人間側の事情として描かれてしまっている。
もう物語の動機が最初っから弱すぎるんだよな~!!精霊たちは「なんとなく困ってるんで助けて下さい」って感じでハーヴィーを巻き込んでいて、ハーヴィー気の毒だな…と思いながら観ていました。
ハーヴィーの職場に精霊たちがドヤドヤ押しかけてくる場面とか、最初吹き出すかと思ったわ…精霊たち、めっちゃ自由やないかい!!と思ってwww
精霊たちが閉じ込められた「ミスティワールド」とは一体なんだったんだ本当に…ロンドンまでは普通に来られるんやんけ…。

かと思えば、庭師のニックとシャーロットの母・フローレンスの関係や、ラストシーンのエリュとシャーロット&エリュとハーヴィーの会話はきちんと書き込まれている。「あぁ、景子先生はこの場面がやりたかったんだな」という場面と、それ以外の部分の落差が激しすぎるんじゃ~!!
謎の老婆の杖に留まっている小鳥が動いたりとか、探偵の場面でわざわざ「ベイカー街」って壁に住所を貼り付けたりとか、そういう細かいこだわりよりストーリーにもう少しこだわっておくれよ~!!??って感じでしたねぇ…小鳥はかわいかったけどさ。

ただ、舞台美術やお衣装、そして音楽はとっても美しかったし素晴らしかったです!!
ウィングフィールドの薔薇園の場面や、ロンドンの雑踏、ヴィッカーズ社のオフィス。
どれも19世紀末英国!という雰囲気がとてもよく出ていて、ヴィクトリア朝時代の英国好きとしてはも~たまりませんでした…そしてお衣装!!これがまた最高!!フロックコートとバッスルドレスを愛してやまないオタクなので、「Time is Money」の場面は大興奮でした!!ありがとう、ありがとう衣装の有村先生と衣装部の方々!!!
あと音楽もとっても素敵でしたね~。どの曲も旋律やハーモニーがとっても美しく、ちょっとセンチメンタルでぐっときました。
ストーリー的には「ウーン…」でも、視覚・聴覚的に楽しめる舞台だったのはとてもありがたかったです。

正直、素晴らしい芝居心と演技力をお持ちの明日海りお様の退団作としては勿体なさすぎる脚本でしたが…景子先生の「ハンナのお花屋さん」はすごく良かったのに、大事な大事な作品でどうしてこうなっちゃったのか悔やまれますが…でも主要人物の誰かが死んで悲しく終わる、とかよりは良かったかな。ラストシーンの美しさに少しは救われたような気持ちです。
さて、以下はキャスト別感想~。


☆エリュ@明日海りお

こ、こんなペラッペラなお役なのに何て素敵なお芝居をされるんだろう…;;;;;と色んな意味で泣けました。
みりおさんのあの美貌、そしてストイックすぎるほどの舞台への探求心と気高さ。「薔薇の精」というファンタジーな設定がしっくりきてしまうのも納得なのに、脚本の内容が薄すぎて…やっぱり勿体なかったなぁぁ…。
みりおさんが長年磨かれてきたスーツや燕尾服での男役芸はショーで堪能できたから、「薔薇の精」って役柄についてはまぁよしとするにしてもだよ。トップスターで!!それも大事な大事な退団公演なのに!!!ただ舞台に立っているだけ、みたいな場面が多いのはどーーーなのケイコ!!!!!先生!!!!!
まぁそんな立ち姿一つとってもお美しいし、歩いているだけでも本当にお美しいなぁ、優雅だなぁ…と惚れ惚れしましたけども。でもやっぱりみりおさんが宝塚の男役として舞台に立つ最後の作品なのだから、もっと深みのあるお芝居が観たかったなぁというのが正直なところです。

と、脚本への不満たらたらで観劇していたのに、最後の最後でハーヴィーに「君なら、この庭に素晴らしい花を咲かせられる、必ず」と話す台詞でべっちょべちょに泣いてしまったという…うう、あんな台詞ずるいよ~;;;;;
あの一言の台詞のためにここまでの90分があったんだろうな~と思うと何とも言えませんが、観られて良かったなとも思います。

みりおさん、今まで沢山のときめきと感動を舞台から客席へ届けて下さって本当に、本当にありがとうございました。
初めて「エリザベート」であなた様の姿を観た時の衝撃と感動。思えば、今の私のヅカオタライフはあの舞台から始まりました。
そして「ポーの一族」…幕が上がり、センターに背中を向けて立っていたエドガーの姿。背中を向けて立っている、それだけで鳥肌が立ったあの感覚。そして歩いている姿を見て胸がいっぱいになり、涙が溢れたあの感動は一生忘れないし、永遠に私の宝物です。
出会いに心からの感謝を。
大千秋楽のその日まで、輝きを増し続けるみりおさんを応援しております!!


☆シャーロット@華優希

可愛かった!!
トップ娘役お披露目作品で少女から老婆まで演じるって中々ハードでは…と思いましたが、どの時代もきちんと演じ分けできていたと思うし、お婆さんになってからエリュと再会する場面は泣けました;;;
なにしろ台詞が良かった…「心の奥にあなたがいたから、生きてこられた」という台詞はみりおファンの心の代弁になっていたと思うし、こんなに深い声も出せる方だったんだなぁと驚きました。
お衣装も可愛かったな~…白いバッスルドレスはとっても綺麗だったし、少女時代の花柄ドレスも、喪服の黒いドレスも可愛かった…途中で下着姿になるところはびっくりしたけど、あの時代の下着にも萌えるオタクとしてはドロワーズが見られて嬉しかったですね!!

ダンスと歌はお世辞にも上手いとは言えないし、何かと叩かれがちな娘役さんではありますが…彼女のお芝居は好きなので、これからも頑張ってほしいなと思います。


☆ハーヴィー@柚香光

すっげーー普通の人だ!!とびっくりするくらい普通の人を演じているれいちゃん(柚香光)が新鮮でした…!!
いや、直近で観てるのが花男の道明寺とCASANOVAのコンデュルメルで、どっちも濃かったから…(笑)
でもこういう普通の人って派手なビジュアルや勢いでは誤魔化しが効かない分、役者としての力量が試される役でもあるのかなと思います。
そしてそんな役を、丁寧に、温かく演じているれいちゃんの姿に胸が熱くなりました…素敵な男役さんになられたなぁ~;;;;

しかしニックおじさんのマイティ(水美舞斗)とも絡むかと思っていたら、台詞での回想だけだったのはちょっと残念だったな…れいまいで甥っ子とおじさんとか萌えるな~!と思っていたので(笑)
でもみりおさんとのデュエット曲は素敵だったし、最後の握手のシーンはすごくすごく良かったし。青いフロックコートの衣装もとても良く似合っていて素敵でした!!れいちゃんには青がよく似合うな~。いや、赤も黒も似合いますけど、何たって元がよろしいから…。

みりおさんから花組を引き継いで、れいちゃんがどんな素敵な花を咲かせるのか。
これからも見守っていけたらいいなと思います。


☆ヴィッカーズ社長@瀬戸かずや

あきら(瀬戸かずや)のおひげ×フロックコートは最!!!高!!!だな!!!!!!と改めて思いました。
いやホント、スーツも似合うけどフロックコートも滅茶苦茶似合う~;;;ほんとイケオジあきらのビジュアル、最高にカッコ良くて大好きです;;;;
やり手社長って役柄も似合いすぎて「わ、分かるwww」感満載でしたが、もっと嫌味な人間に描かれているのかと思ったらそうでもなくてちょっとびっくりでした。設定を確認したら父親から事業を引き継いだ2代目社長だそうで、そういうプレッシャーもあって仕事人間になってるって感じなのね。なるほど。
「Time is Money」の場面はとにかく華やかだし、曲も素敵だったし、フロックコート祭で滅茶苦茶楽しかったです!!
しかしヴィッカーズ社の社員、若いイケメンだらけで社長は顔で雇ってんのか!?て思っちゃった…www目の保養だったのでいいんですけどね!!


☆ニック@水美舞斗

庭師役だったので衣装は地味だったものの、素朴で温かな雰囲気がとっても良かったです!!マイティの爽やかな笑顔がとっても眩しかった…!!
雇い主の奥方に叶わぬ想いを抱いている…というちょっと切ない役でしたが、その奥方・フローレンス役の城妃美伶ちゃんとのお芝居が凄く良かったです。つい差し出しかけた手が届かないのがさ~切なくてさ~!!短い場面だけど、あの何とも切ない表情やお芝居があったからこそ、ニックの想いがハーヴィーに受け継がれていったんだろうなと。
フローレンスが描いた絵を、生涯宝物にしていたっていう話も素敵だったな~。
あ、あと薔薇をエア剪定(笑)している姿も良かったです!庭師の動きをすごく研究されたんだろうなぁ…めっちゃカッコ良くてたくましい背中でした。惚れる。


☆フローレンス@城妃美伶

とっても美しくて気品あふれる奥方様であらせられました;;;;
作品の中で彼女は「幸福の象徴」だったのかなぁ…穏やかで、優しくて、笑顔が似合う女性。そんな素敵な女性をしろきみちゃん(城妃美伶)がとても魅力的に演じていて凄く良かったです!!
彼女も本当はニックに惹かれていたのか、それとも深い信頼があっただけなのか…つい深読みしたくなるような、ニックとの関係性も素敵でした。
お花のついた白い帽子と、淡い紫のドレスも似合っていて綺麗だったなぁ………エーーーーン退団寂しいよぉぉ;;;;;
しろきみちゃんのお芝居も歌もダンスも全部大好き…なので退団はとてもとても寂しいけど、最後のお役が素敵な役で良かった…!!しろきみちゃんが美しい花娘として舞台に咲き誇る姿が見られて幸せです!!寂しいけど、最後まで応援し続けます…エーン…!!


最後に、印象に残った方々を箇条書きにて~。

●羽立光来氏の存在感がやっぱりびっくすぎるwww演じているのはコッテコテの成金男って感じなんですが、あのクルンとまるまった前髪がソーキュートすぎました!葉巻がまたよく似合ってて良かったし、最後の妖精姿とのギャップがまた最高でしたwww

●役名の「Misterious Lady」ってなんやねん…と思っていた乙羽映見ちゃん、ピノキオのブルー・フェアリーみたいでとっても素敵でした!!ドレスも綺麗だったし、歌声が本当~に素敵で;;;退団されてしまうのが惜しまれますが、美しい歌声を本当にありがとうございました!!

●帆純まひろくんの出番が多くて嬉しかった!!ハーヴィーのれいちゃんとずっと一緒にいるし、にこにこ見守ってしまいましたわフフフwww

●ドレスがめっちゃくちゃ好みで目で追ってしまった方がいたんですが、お顔を確認したら春妃うららちゃんで「ドレスだけじゃなくてお顔まで可愛い!!」と心臓撃ち抜かれました…青いドレスがとっても似合ってて素敵だったし、こんな奥さん私も欲しいってなったわ…。

●9歳のシャーロットを演じた都姫ここちゃんがやっぱり滅茶苦茶可愛い…花男の時にめっちゃ可愛い子だなと思ったけど、改めて見ても可愛い…花組は私好みの娘役さんが多いので今後も楽しみです(笑)

2019年10月19日

雪組全ツ「はばたけ黄金の翼よ」感想

2019年10月14日、雪組全ツ「はばたけ黄金の翼よ/Music Revolution!」の川崎公演を観劇して参りました!
私は「はばたけ」の過去公演も原作も全く知らなかったので、演目発表になった時のざわめきっぷりに「そんな有名作なの!?」とびっくりしたんですが…麻実れいさん退団作の再演として話題になったのもあるけど、

●主人公が2番手男役に鞭で打たれるシーンがある(しかも鞭で打つ理由が、主人公への愛をこじらせた故っていう)
●当時トップ娘役が不在だったので、ヒロインに若手男役が抜擢された

の2点で特にざわめいていた印象。ま、そりゃ~ざわつくわな!特に鞭!!(笑)
というわけで私も「誰がだいもん(望海風斗)を鞭で打つのかな~!?」と2番手キャラ・ファルコの配役を楽しみにしていたし、あーさ(朝美絢)に決まった時は「ウェェェェェェイ!!!!こじらせあーさ!!!!超楽しみ~!!!!!!!」と太鼓(エア)をドンドコ打ち鳴らして踊り狂う勢いで喜んだものです。
が。

…ファルコ、鞭打たないやんけ……(ショボン…)

問題のシーン、小柳先生演出で変更になっていたようで…なんてこった!!
あの美しい瞳に狂気を宿らせ、鞭を振るうあーさをめっっっっちゃくちゃ楽しみにしてたのに!!!!!!(笑)

でもまぁ全体的にはとても良かったです。王道ラブストーリーなだいきほがやっと観れた!!という多幸感がすごい…ここまで長かったよねぇ…。「20世紀号に乗って」もハッピーエンドだったけど、あれは映像に残らない作品だったし。
改めて、だいきほハッピーエンドおめでとうございます…!!「末永く幸せに暮らしました」で終われるだいきほは!ここにあった!!

女性キャラの人物関係が私には若干複雑だったものの(「●●の妹」とか「▲▲の娘」とかの説明に頭がこんがらがった…)、大筋は長年敵対している王族の王様とお姫様が政略結婚して、最初はいがみ合うものの段々と惹かれ合っていき…という「ザ☆少女漫画」な王道ストーリー。
しかも舞台が中世ってことでコッテコテなコスチュームプレイものかと思っていたら、そこはさすが小柳先生でした。中世のクラシカルでゴージャスな世界観は活かしつつも、お芝居のテンポや演出は現代的で、とても観やすかったです。
まぁストーリー後半~終盤のジュリオとビアンカには「それでいいんか!?」と若干モヤっとしたけど…時代のせいということにしておこう…。

ゴージャスな衣装や世界観は「これぞ宝塚」な雰囲気が味わえるし、ストーリーも少女漫画的な胸キュンポイントが多い。そして書き下ろしの新曲もあるから、だいきほのすんばらしい歌も楽しめる…と、「全国ツアーで初めて宝塚を観る方」にはうってつけなお芝居だったのではないかと思います。まぁその、チケット難すぎて初めての方でも観られる公演になってたのかは正直よく分からないんですけど…。
でもこの公演でまた全国に宝塚ファンが増えて、その中から未来のスターが生まれたら素敵ですね!
さてさて、以下はキャストごとの感想です。


☆ヴィットリオ@望海風斗

か~~~~~~~~っこいい!!!!!!!(ズキュウゥゥゥゥン!!)
ビジュアルは最初「うーん、微妙…」と思ってたんですが、中身があまりにかっこ良かったので最終的にはだいもんのヴィットリオ様にメロメロになりました…「カリオストロ(「ルパン3世」の時の)再びかな?」くらいに思っててどうもすみませんでした…。
冷酷で、自国の利益しか考えていない権力者。でもヒロインとの出会いで段々変わっていき…って役どころがまぁハマることハマること!俺様だけどピュアなだいもんが最っっっ高でした!!

好きな場面も沢山あったなぁ…クラリーチェに「この国で一番の剣の使い手を教師につけよう」と告げて呼び出して、教師として自分が行っちゃうところとか(「この国で一番の剣の使い手と言えば俺のことだ」というのがまた気障で俺様で最高~!!)
クラリーチェの命を救うために自ら剣を捨てて捕らえられ、牢に繋がれて鞭で打たれる場面とか(鞭を打つのがファルコではなくなったけど、鞭打ちの場面はあって良かった!美しいお方が鞭で打たれ苦しむ姿の背徳感よ…っか~!!たまらんばい!!)
そしてラストシーンの、旅立とうとするクラリーチェを無理に引き留めようとせず、「また戻ってくればいい」と言って背中を見せるところ!!最高!!台詞はうろ覚えなんですけど、ヴィットリオがクラリーチェの自由な魂を愛していること。無理に引き留めても彼女の心は自分のものにならないと思っていること。それでも最後には自分の隣にいて欲しいと願っていること…そういう様々な思いが伝わってきて、「キュン☆」を通り越して「ギュンッ!!!!!」と体がねじ切れる勢いで萌えました…あ、あんなに自信満々な俺様暴君だったくせして~!あーんな寂しげな背中を見せられたら堪らなくなっちゃうよ!!好きです!!!
なんだろう、まとめるとツンデレ暴君キャラ?あの望海風斗様のツンデレ暴君って最高じゃない??イエス、最高です!!(確信)

…しかしあの、あまりにも胸キュン展開が凄くてですね…お芝居を観ながら「私、夢小説を読んでいるのか?それか乙女ゲーをプレイしてるんだろうか…??」て感覚になりました(笑)
自分に刃向かってきたクラリーチェに「面白い女だ」と興味を示したり、「本当は最初に出会った時から惹かれていた」って告白したり…この辺がオリジナル脚本通りかは存じ上げないのですが、さすが乙女ゲー要素を宝塚に取り入れた小柳先生だな…と思ったのでしたw


☆クラリーチェ@真彩希帆

わ、私が観たかったきいちゃん(真彩希帆)の姿がここにある…!!!!!
と観劇中、思わずガッツポーズしそうになりました…私はですね、ずーーーーっと剣を振り回して戦うきいちゃんが観たかったんです!!あ、勿論ヒロインとしてね!!

ちょっと「はばたけ」の感想からずれますが、私はだいきほで「エル・アルコン」を観たいなとお披露目の頃から思ってまして。というのも、だいもんの「女は抱かれていればいい」という悪い男な台詞が聞きたくて堪らなかったのと、戦うヒロインとしてドレス姿で剣を振るうきいちゃんが観たかったからなんですが…もう叶わぬ夢だろうな、と諦めておりました。
でもその夢にとても近いものが!「はばたけ」で観られたんです!!しかも「エル・アルコン」とは違うハッピーエンドで!!!ううう嬉じい~;;;;;

きいちゃん演じるクラリーチェは、中世のお姫様でありながら「自分の生きる道は自分で決めたい」というとても現代的な感覚を持った女性。
ヴィットリオのために長い髪を切り、彼を救うために困難へ挑んでいく強さがある一方で、親の仇である男に惹かれていく自分に戸惑う少女らしい一面もあり…そんなヒロインをとても魅力的に演じていたと思います。
序盤でヴィットリオを「マントヒヒ!醜い豚!!」とののしるところはとっても可愛かったし、剣の稽古を受けるところも可愛かったし、髪を切って少年のふりをするところも可愛かったし、最後は自分の心に素直になってヴィットリオの背中に抱き着くところも可愛かった…つまり全部可愛かった…。きいちゃんがこんなにヒロインらしいヒロインを演じてくれて、あたしゃ嬉しいよ…。

歌声も相変わらずの美しさで…だいもんとのデュエット曲は新曲ですよね?
青木先生の素敵なメロディーとだいきほのデュエットも堪能できて、大満足でした!!


☆ファルコ@朝美絢

登場してきた瞬間、「美ーーーー!!!圧倒的に美ーーーー!!!!!美は!!!正義!!!!」と心の中で叫んでしまうくらい、めっちゃ美しくてかっこよくてヤバくて最高でした…ホント最高でした…(大事なことなので2回言いました)
プラチナブロンドのストレートロングヘアがとんでもなく似合っていたし、中世の華やかな衣装がまた似合うのなんの…!!あの黒地に金の装飾を施した騎士姿(?)が最っ高~~にカッコ良かった…何回でも言うけど本当~~~にカッコ良かった…。

「ひかりふる路」のサン=ジュスト、「壬生義士伝」の斎藤一、そして「はばたけ黄金の翼よ」のファルコ。
こんなに「滅茶苦茶顔が良いけど中身がやべー奴」がハマるあーさは本当に素晴らしいと!!思います!!!(誉めてます!!)
どれも私の萌えツボをざっくざく刺してくるから、観れば観るほど好きになってしまうよ~!!しかもどんどん上手くなってる&輝きが増し増しになってるんだよ~!!マジ勘弁してほしい…好きです!!!!!

ファルコはこじらせキャラとは聞いてたんですが、あーさの美しいお顔×ファルコのヤンデレキャラって組み合わせがもう強すぎてですね…。
ヴィットリオを心配するあまりクラリーチェを亡き者にしようとしたり、その件で国外追放されたら可愛さ余って憎さ百倍とばかりに敵国側に寝返って見たり、でもやっぱりヴィットリオを憎み切れずにクラリーチェ共々命を助けたり…ちょっと(?)やり過ぎな面もあるけど、本当にヴィットリオを大切に思っていたんだろうなと思うと、彼の辿った運命って切なくもあります。あんなにねぇ「♪ヴィットリオのために~」て歌ってたのにねぇ…。
でもその的外れな愛情と、報われずに堕ちていくところがまたいいんだよな~~~!!!!!!!

それだけに、こじらせすぎてヴィットリオを鞭で打つ場面が変更になってしまったのはやっぱり残念だな…ただ鞭で拷問するってだけなら他の作品でも見ることあるけど、こじらせた愛ゆえってのは中々ないだろうからなぁ~。うーん、観てみたかった!

あとこれはショーも含めてだけど、あーさがトップスターの主演作で二番手男役を務めていたことがとてもとても嬉しかった…!!今後ますますのご活躍を楽しみにしている身としては、この公演の評判が人事に結びつきますようにと祈るばかりでございます…はぁ…。
とりあえずファーストフォトブック、予約しまぁす…!


☆ジュリオ@永久輝せあ

「はばたけ」に不満があるとすれば、ジュリオが今一つよく分からないキャラだったってことかな…善人なのか悪人なのか、有能なのか無能なのか、最後までどーにも分からなかった。
序盤でビアンカと話している時は、妹・クラリーチェを敵国に嫁がせることに抵抗を感じていて、その姿に嘘はなさそうに見えてたんですけど。
その一方でヴィットリオを陥れるために兵を蓄えたり、ファルコを仲間に引き入れたり、ついにはクラリーチェを利用してヴィットリオを捕らえたり…。裏で手を引くグリエルモ伯爵の存在があるにしても、クラリーチェを心配して胸を痛めていたジュリオはどこにいっちゃったんだ??って感じでした。
婚約者のビアンカのことも大切にしていたはずなのに、ヴィットリオを罠にハメるために彼の寝所へ向かわせることを了承したり…うーん、時代背景的に女性が犠牲になることはあっただろうけど、それにしたってビアンカは可哀想だったし、最後に2人が結ばれる前にちゃんとフォローをしてあげてほしかったなぁ。

でもひとこちゃん(永久輝せあ)自身は衣装もよく似合っていてカッコ良かったし(羽根つき帽がめっちゃ似合ってた!)ビアンカ役の彩みちるちゃんと結ばれる姿が見られたのも嬉しかった!!
この公演で雪組の王子様姿も見納めか…と思うとやっぱり寂しいけれど、ひとこちゃんが花組でどんなスターになっていくのかも楽しみです!!頑張って欲しい~!!


☆ロドミア@朝月希和

だいもんに届かぬ想いを抱いているひらめちゃん(朝月希和)って役どころが新鮮だな…!!と最初驚きましたが、とっても良かったです!!
キャラクターとしては結構過激な行動に走ったりもしていたけど、それも全てヴィットリオへの愛ゆえ…と書いててファルコを思いだし、そういえばこの2人兄妹だった!!なるほど、兄も妹もヴィットリオをこじらせている「こじらせ兄妹」だったんだな!!と妙に納得した次第です(笑)
いやでもホント…血は争えない感が凄いというか、愛憎のふり幅が兄も妹も激しすぎるというか…この2人の親って、いったいどんな親なんだ???(笑)

それはさておき、ロドミアが酒場で歌う場面はひらめちゃんの歌声と妖艶な雰囲気がとても素敵だったし、最後にヴィットリオを守るために自ら毒を飲んだところは切ないけどかっこ良かった…;;;残念ながらロドミアの恋は実らなかったけど、ヴィットリオに彼女の愛がちゃんと届いたのは良かったねぇ…。

お芝居も歌もダンスもできるひらめちゃんがいなくなってしまう穴は大きいな…と改めてションボリしていますが、花組に戻られたら「マスカレード・ホテル」でヒロインですしね!応援するっきゃないや…!!(でもやっぱり寂しいよ~エーン…!!)


☆ジーノ@彩海せら

可愛い。
前から思っていたし知っていたけど、あみくん(彩海せら)は可愛い。ジーノの末っ子キャラ的な可愛さがあみくんに合っていてとても良かったし、ロドミアに憧れつつも全然相手にされないところも可愛かった!!
男役スターとしては可愛すぎたり、「少年」てイメージがつきすぎるのってあんまりよくないのかな?分からないけど、学年を重ねると段々大人っぽくはなっていくと思うので、今のうちにあみくんの少年役を沢山見ておきたい。そんな気持ちでいっぱいです。
あみくんも何でもできるタイプだから、将来は素敵な男役スターになるだろうなぁ…と思いつつも、今は少年役を!私は!!見たい!!

そして「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」ではドミニクを演じてくれるといいなと願っています!!(欲望に素直)


と、また大分長くなったのであとは簡単に~。

●久城あす君のグリエルモ伯爵もすごく良かった~!!あす君は悪役を演じても上手いんだなぁ…出番も多くて嬉しかったです!

●叶ゆうり氏が一瞬めっちゃかっこいい姿で登場するのにすぐ引っ込んでしまい、次の場面では酒場の主人の姿で出てきたもんだから「あの叶ゆうり氏は幻だったの…?」と思いました。プログラム確認したら幻じゃなかった、良かった!ボルツァーノ兵姿の叶ゆうり氏、もっとゆっくり拝みたかったわぁ…。

●舞踏会の場面で、有栖妃華ちゃんが歌手として出てきたのすごく嬉しかった~!!素敵な歌声をありがとう、ありすちゃん!!

●にわさん(奏乃はると)の教皇様、お供が二人いて何だか水戸黄門みたいだな…と思って観ていたんですが。ヴィットリオとジュリオの決闘シーンで、追い詰められたグリエルモ伯爵が「教皇も殺してしまえば問題にならない!」と言い始めたところで「水戸黄門で悪役が逆切れする時のパターンだ!!」と改めて思いました(すっごいどうでもいい感想だなと思ったけど書いておきたかった)

ショーの感想も書けたら書きたいな…大劇場版と大体同じ構成だったけど、印象はかなり変わったので。

2019年10月14日

雪組「ハリウッド・ゴシップ」キャスト別感想

※作品全体の感想は前記事に書いております。

☆コンラッド・ウォーカー@彩風咲奈

まずはさきちゃん(彩風咲奈)、KAAT芸術劇場での主演おめでとうございます!!!!!!!!
あの「ドン・ジュアン」を上演した劇場に、さきちゃんが主演として戻ってきて下さったこと、改めて嬉しいしおめでたいな~と噛み締めております…じわ~~…。

演じたコンラッド君はまぁ…脚本的に後半がちょっと残念だったものの、前半はとにかく!最高に!!カッコ良かった!!!第1幕は本当にありがとうね田淵先生!!!!!
冒頭の吹替え用エキストラダンサーとして登場する場面でマタドール役っていう設定もさ、「分かってる~!!田淵先生分かってる~!!」とオペラを持っていない方の手で拳握りしめちゃったもんね…マタドール咲奈最高にかっこいいしセクシーだし足が長い;;;;;帽子を投げて女たちを侍らす辺りとか、「SUPER VOYAGER!!」を思いだして「ウヘェ~!!」っていきなりひっくり返るかと思ったわ…。
あ、そういえばこの場面で監督に「吹替えだからどうせ後ろ姿しか使わない」と言われたり、プロデューサー室でアマンダに「あんたは黙ってて!」と言われて「はい!」て脇に下がったりするところ、「20世紀号に乗って」のブルースちゃんを思いだしてめっちゃツボりましたwwwブルースちゃんと言えば後頭部だし、大物女優に怒られてヒュンッとなるところでもホントそのまんまでwww
その後のタンゴレッスンの場面でも「Gato Bonito!!」の曲が使われていたし、あえての演出だとしたら田淵先生やりよるわ…話のまとめ方は今一つだけど(すみません)こういうファンサービスはありがたいです、サンキューな…!

私、男役スターさんが大勢の娘役さんを侍らす(笑)場面がとても好きなので、アマンダの最終試験でモテモテなコンラッド君にすっごいニヨニヨしちゃったんですけどw
でも一番印象的、かつグッと来たのは、アマンダさんとの別れの場面で彼女を抱きしめるところだったんですよねぇ…あの場面、アマンダ役のみとさん(梨花ますみ)の熱演が素晴らしかったし、それを静かに受け止めて別れを告げるさきちゃんのお芝居も凄く良かったな~…前半のビジュアル的なカッコ良さとは違う、コンラッドの男としてのカッコ良さはあの場面に凝縮されていたように思う(この作品の本当のヒロインはエステラではなく、アマンダだったのでは??とも思う)

最後のエステラとくっつくシーンはまぁ、ストーリー的には「???」だったし、飲食店のカウンターに乗って踊ったらダメでしょ!?とは思うものの(笑)明るく楽しくハッピーに終わってくれたので良かったです!!ダイナーの女主人、きゃび様(早花まこ)とのダンスも素敵だったしw
イケコ先生~!!ハリゴシは最後にお亡くなりになったりしないハッピーエンドでしたよ~!!!!!(「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」の制作発表会ネタ)

あ、あとそうだフィナーレ!!!あれさー!!なんなの!!??あんなに全力でこの世の女全てを撃ち落としに来る彩風咲奈が見られるなんて思ってなかったんですけど!!!????好きです!!!!!!!!!!
黒燕尾群舞も最高にカッコ良かったし、娘役さんたちとのダンスも滅茶滅茶カッコ良かったけど…デュエダン…すごい振付だった…何アレ…ウィンクにバキューンに…他にも何かやってらっしゃいましたよね??(あまりのことに記憶が飛んでる)
相手役のかのちゃん(潤花)が最初「ひゃ!」てなってしまったってのも分かるわ~…あんな男役の必殺技(?)を「超ウルトラスターマイン☆尺玉1万発!!」みたいな勢いで次々やられたらそりゃ「ひゃ!」てなるわ~…しかも至近距離でだもんね…頑張った、頑張ったぞかのちゃん…。

まぁそんなわけで話のオチにはモヤモヤしつつも、さきちゃんの歌もダンスもお芝居もこれでもか!というくらい堪能できた充実の2時間超でした!!観られて良かった!!
色々書いたけど、前の主演作「CAPTAIN NEMO」だからな…謎のモールス信号とか謎のマトカとかは出てこない分、良かった…かもしれない(ネモのトンチキっぷりも好きだけどね!)


☆エステラ・バーンズ@潤花

ポスターの印象で、もっとキッツイ性格のキャラかと思ったらそうでもなくてびっくりした!普通~に可愛いヒロインでした。
かのちゃん(潤花)、「ファントム」の時のメグの演技が印象的だったというか強烈だったというか…ちょっと苦手だったので心配だったんですが、最初から最後まで安定したお芝居で良かった…いや、他のお芝居では普通だから当たり前なんだけどw
しかしかのちゃんな…滅茶苦茶推されてる娘役さんですが…私はどうにもお顔が苦手でしてね…ゴニョゴニョ。
まぁ歌は心配だけどお芝居もダンスもできるし(ついでにスポンサーもついたらしいし?)このまま駆け上がっていくんでしょう。
あ、でも歌も前よりは安心して聴けたかな?高音は弱そうだったのでそこは今後の課題かと思いますが、抜擢されたからには研鑽を重ねてより素敵な娘役さんになっていってほしいなと思います。

しかしエステラのあのドレス、もうちょっと綺麗なラインにならなかったのかなぁ…あの時代のローウェストでクラシカルなドレスやワンピースって好きなんだけど、レースがもたついて見えたのが残念でした。女優になってから着ていたワンピースも、あのたすき掛けみたいな紐?のデザインが謎で気になっちゃって気になっちゃって…。
折角のヒロインなんだからもう少し綺麗なラインのお衣装を着せてあげて欲しかったなぁ…あ、でもウェイトレス姿は良かったです。


☆ジェリー・クロフォード@彩凪翔

前半の鼻持ちならない大スター!!っぷりが最っっっっっっっっっっっ高だっただけに、後半が……でしたが、それでも翔君は終始カッコ良く、美しく、素敵でした!!
いやでも後半のね、クスリで身を滅ぼしていく辺りは脚本の粗さが残念ではあったものの、翔君の鬼気迫る演技は素晴らしかったな…観ているこちらも、現実と夢の区別がつかなくなる感覚にゾクゾクしました…!
ジェリーはなぁ…設定は良かっただけに、脚本を丁寧に書き込めばもっと良いキャラになったと思うんだよなぁ~。特にアマンダとの関係や、ジェリー自身が抱えるコンプレックスや精神的な弱さが描かれていれば、もっと説得力のある物語になったと思う。勿体ない。
折角さきちゃんとバチバチ火花を散らして熱いお芝居ができるライバル役だったのにさ、前半は「何か嫌な奴」で、後半は「何か可哀想な人」で終わってしまうキャラクターになってしまったのがとても残念…残念だよ田淵先生…ライバルキャラの書き込みって大事なんだよ田淵先生~!!!
最後、生きていてくれたのは安心した…でもあの退場のさせ方はやっぱりな~モヤモヤする~!!

とか思ってたら、フィナーレが死ぬほどカッコ良くて全てのモヤモヤが吹っ飛びました!!!!!!!!
すごい…黒燕尾で背中向けて立っているだけで見ほれるカッコ良さ…田淵先生ありがとう、フィナーレ用意してくれてホントにありがとう!!

でも何であがちん(縣千)と組ませてタンゴ踊らせたの!!!???wwwwww

ナウオンステージを先に見てたから、翔君があがちんと組んで踊るのは知ってたけど…実際見ても「???なんでだ???」てなったわwww
男役同士が黒燕尾姿でタンゴを踊るとか、ぶっちゃけ大!好!物!!ですけど、それでも「????なんでだ????」てなったわwwwww

いや、だって男役同士でタンゴさせるなら、そこはさきちゃんとじゃない!!!!????(笑)

…いや、翔君と実際タンゴ踊ることになったらさきちゃんの身とか心臓とか色々心配ではあるけど(お察し)、でもほんとなんであがちんだったんだろうなぁ…スターとしての格の問題なんかなぁ…いや、あがちんは好きだけど、ホント…素敵だったけど不思議なフィナーレだった…w


☆アマンダ@梨花ますみ

キャスティング発表になった時に、みとさん(梨花ますみ)ってことは思った以上に「往年の」大女優なんだな~とびっくりしたアマンダさん。
でも結果的に、アマンダがみとさんくらい実際に年を重ねられた方だったからこそ、この作品は成立したんだなと思います。
あんまり言うとすみれコード的にもアレかもだけど、みとさんと翔君が恋人関係ってやっぱり無理があって、「アマンダのお金や地位だけが目的なんだろうな」と勘ぐってしまう並びですよね。これがもしアマンダ役が翔君と学年近めの上級生とかだったら、「本当はジェリーはアマンダを愛していたのでは?」とか深読みしてまいそう。なのでこのキャスティングはとても良かったと思います。
そしてアマンダの方は、本当にジェリーを愛していたんだろうな…というのが切ないところ。「自分にはもう若いころのような魅力はない」と頭では分かっていながら、嘘で着飾ってでも輝き続ける女優でいたいというアマンダの女心が、みとさんの熱演で痛いほど伝わってきました。彼女はきっと死ぬまでずっと女優なんだろうなぁ…。
もしかしたら、落下事故で重体になってしまったジェリーを陰でずっと面倒見続けたりするかもね。彼女の復讐劇は苦い結末になってしまったけど、その先に少しでも明るい未来もあればいいなと思います。


☆ピーウィー@真地佑果

あの髪型ずるくない!!!!????

いや~、さきちゃんとタンゴを踊る場面があるのは事前に知っていたし、稽古場風景も見たから大丈夫だと思っていたのに…まさかアフロ執事とは思わなかったから、出てきた瞬間吹き出すかと思った…www
そんなに出番が多いわけでも台詞が多いわけでもないのに、あの出オチ(と言ってすみません)インパクトが物凄くて、しばらく思いだし笑いしてしまってましたwいや、でもさきちゃんとのタンゴ素敵だったよ!!男役姿で女役を踊る真地くんというある意味貴重な瞬間が見られて良かったですw


☆ダイナーの女主人@早花まこ

「クセが強いんじゃ~~!!!!!!」

ときゃび様(早花まこ)が登場する度、頭の中で某芸人のツッコミ声が聞こえました。ホンっと濃かったし面白かったwww
コンラッドの「良いキャラしてる」っていう台詞、さきちゃんのアドリブかと思ったわwww
でもエステラを見守る優しい叔母さんとしての一面もあって、ダイナーの場面はどのシーンも安心感がありました。ダイナーの常連客2人も良い味出してるな~、誰が演じてるんだろ?と思ったら料理に頭突っ込むおじさんがまなはる(真那春人)だったのには驚きました…なるほど納得の安心感…(笑)


☆コンラッドのエキストラ仲間たち@煌羽レオ、眞ノ宮るい、縣千

配役を見た時に「めっちゃ踊れる人たちだ」と思ったお三方、劇中劇でも踊りまくってた!なるほど納得キャスティング~!!
ストーリー的に一番重要なのはカリちゃん(煌羽レオ)演じるマリオで、よくあのジェリーに取り入ったな…と敵ながらアッパレみたいな気持ちです。いやだってあの大スタージェリー様だよ?エキストラ風情の話なんて聞いてくれなさそうなのに、上手くやったな~マリオ!やったことはアレだけど!!カリちゃんのちょっと陰のあるミステリアスな雰囲気がハマっててとても良かったです。
あと特に何をしているわけでもないんだけど、あがちんが何かもう…気になって仕方なくてw私は1回のみの観劇だったので、さきちゃんを中心に観ていたのですが…オペラの視界の中にチラッチラ入り込んでくるあがちんが、常にニッコニコしていて空気読めてなさそうな雰囲気出してるのが何とも面白かったんですよねwwwあがちんて背が高くてスタイルも良いし、顔も整ってて芝居もできてダンスはあのキレなのに…見てると何か面白くなってきちゃうんだよなぁ~(けして悪い意味ではないです)これからも楽しみな男役さんの一人ですw
そして3人の中では一番大人しめというか、良い意味で普通の人って感じのはいちゃん(眞ノ宮るい)!も~癒し。はいちゃんは癒し。カリちゃんもあがちんも何か濃いから、はいちゃんが普通~な感じで舞台上にいてくれたのがとても良かったです。コンラッドも、はいちゃん演じるトーマスと一緒にいると何か落ち着くんじゃないかな。最後にコンラッドと映画を撮ろうって言ったのもトーマスなんじゃないかなって気がする。控えめだけど、はいちゃんがこの中にいてくれて良かったな~と思うエキストラ仲間チームでした。


あと、まなはるとしゅわっち(諏訪さき)の監督&助監督コンビも見ていて楽しかったし、記者たちがいっぱい出てくる場面ではケンジさん(ゆめ真音)をつい探してしまったよ~メガネ姿が可愛かったです!!

雪組「ハリウッド・ゴシップ」全体感想

2019年10月13日、雪組「ハリウッド・ゴシップ」を観劇して参りました!!
いや~…始まる前は(チケットが取れなさ過ぎて)「この公演観られないのでは…」と青ざめておりましたが、まさか始まってからも(超大型台風接近で)「この公演観られないのでは…」と青ざめることになろうとは思いもしませんでした。
私は運良く自宅も被災せず、交通機関の復旧も早かったため無事観劇することができましたが…楽しみにしていたのに観られなかった、という方も沢山いらっしゃったと思います。自然災害なのでどうしようもないことではありますが、もう二度と自然災害による休演が起こらないことを祈ります…。

さて、気を取り直して舞台の感想ですが!

……第1幕は面白かったんだけどなぁ……。

って感じでした!!悪いとまでは言わないけど、うーん…ちょっと期待しすぎてしまったのかもしれない。大筋は良かったけど、細かい部分が色々引っかかってしまって、ストーリーそのものにはそこまで惹かれなかったです。
自分の中で引っかかったのは多分、

●恋愛ドラマとしても成長ドラマとしてもチョット…
●悪役?が中途半端
●結局あのポスターは何だったんや…

ってあたりかな…ってこう書くとすっごいダメな作品みたいだな!?(笑)
うーん、いや、ちゃんと良い点もあったんだよ。さっき書いた通り第1幕は面白かったし、展開も早いからあっという間に終わった!って感じたし。
あとミュージカル映画を撮るって話だったのもあって、歌やダンスシーンが多くて華やかだったのはとても良かった!!フィナーレもすっごく良かったし!!「フィナーレだけ3万回くらい見たいな!!」って思ったもんね!!

でもやっぱり後半がねぇ…「???」だったんだよね~…。

てことでまたダメだし感想になっちゃいそうですが、まぁ自分のために書いてる観劇記録ですし「ハリゴシ凄く面白くて感動した!!」って方は私と感性が合わないんだなってことで一つよろしくお願いします(何を)


●まず「恋愛ドラマとしても成長ドラマとしてもチョット…」って話

この作品の主軸になるのは、主人公・コンラッドとヒロイン・エステラとのロマンスと、コンラッドが無名のエキストラから映画スターへと一気に駆け上っていく栄光と挫折。
なんだけど、まずエステラはいつコンラッドに惚れたんだ?????っていうのが私にはよく分からんかった…。
コンラッドがエステラを気に入ったのは、ダイナーで働いていた理由を聞いたのがきっかけかな?と思ったんだけど、エステラは??
ジェリーに薬物を勧めたのがコンラッドという話を聞いて(実際は違うけど)、軽蔑した感じだったじゃん?
それが何でダイナーで再会してすぐに良い雰囲気になっちゃってんの???
私の記憶がすっ飛んでるのかな~??1回観ただけでは「???何でくっついたんだ、この二人???」で終わっちゃいました。
話の流れとしては、

コンラッドを軽蔑し、ハリウッドに別れを告げたエステラは、ダイナーにやってきたコンラッドと話そうとしない
→コンラッドはそんなエステラに「スターに憧れるあまり、自分を見失っていた。エージェントもやめ、昔のエキストラ仲間とも仲直りして、一からやり直すことにしたんだ」と真摯に話し、ジェリーと薬物の関係についても知っていることをきちんと話す
→コンラッドの真剣な様子を見て、かたくなな態度を少し緩めるエステラ「…それで、今日は何をしにここへ?」と尋ねる。
→「君と、もう一度映画を撮りたいんだ。今度は誰かに仕立て上げられたスターとしてではなく、映画を愛する者同士として」とコンラッド。エステラは少し考え込み「…あなたが真剣に言ってるなら、考えてもいいわ」と返事。大喜びのコンラッドと、満更でもなさそうなエステラ。2人は今後良い関係になりそう…と匂わせて終幕。

くらいの方が自然だったんじゃないかな…んでフィナーレで2人のデュエダンがあれば、「あの2人、上手くいったみたいだな」とニマニマできて良かったんじゃないかな~なんて思ったりしました。
別に話の中で無理やりくっつけなくてもいいと思うんだよねぇ。

とまぁ、恋愛ドラマ的に最後は謎だったんですが、コンラッドの成長ドラマとしても…ウーン、何でだ??って思う部分がちらほら。
コンラッドは映画に登場するヒーローに憧れて映画俳優を志したという設定なのに、スターになった途端に横暴で嫌な奴になっちゃったのが謎で…。アマンダに「常にスターとしての自分を演じろ」とは指導されてたけど、それだったら「常にヒーロー然とした映画スター」を演じる方が自然だと思うんです。
そもそもライバルであるジェリーが正にそういう横暴キャラなんだから、同じ「横暴キャラ」を演じたら自分も敵を作って同じ憂き目に遭うかもしれないじゃん??であれば、ジェリーとは反対に良い人キャラを演じて共演者やスタッフに味方を増やし、ジェリーを追い落とすって方が話としても面白かったんじゃないかと思うんですが、どうでしょ。
「スターだからって好き勝手やると、周りに敵を作って足を引っ張られる」ていう失敗パターンはジェリーが担当するんだから、コンラッドには「良い人を演じて味方を増やしても、やりすぎればメッキが剥がれて全てを失う」とか別の失敗パターンを担当して欲しかったな。で、そこから「虚構の自分を見せようとするのをやめて、本来の自分を見つめ直す」とした方が、「虚構の街ハリウッドを描く」というテーマにも合ってたんじゃないかと。
コンラッドに限らず、キャラクターの設定と行動がきちんと結びついていないと感じたり、行動が突飛に見える人物もいたりと、全体的にキャラ設定の弱さが気になりました。

あ、あとどうでもいいけどこの作品の時代って禁酒法時代だからコンラッドとエステラがお酒で乾杯してるっぽい場面もちょっと気になりました!!(「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」の映画を観たばかりだったもんでw)


●「悪役?が中途半端」って話

第1幕ではジェリーが悪役然としているけど、第2幕ではそのジェリーを追い詰めるさらなる悪が薬物…コカインとなる。
「ってオイ、急だな!?しかも薬物って!?」とコカインの話が出てきた時つい突っ込みそうになったわ!!
たしかに売人をやってたマリオがコンラッドに「良い仕事があるぜ」と紹介しようとしたり、楽屋に戻るジェリーをマリオが追いかけていったりとかそういう描写はあるにはあったけど…第1幕のジェリーを見ていて、クスリに走りそうな雰囲気は感じなかったんだけど???
普段は自信満々な態度を取りながらも、時々妙に不安そうな様子を見せる…とか、第1幕でジェリーのそういう「トップに上り詰めたが故の孤独や不安感」の描写があったらさ、そこまで違和感もなかったと思うけど。伏線張るならもうちょっと丁寧にやってほしかったなぁ…でないと「手っ取り早くスキャンダルになるもの」として薬物が出てきたって軽い印象になっちゃってモヤモヤする…。
それでジェリーがあんな風に追い詰められて、錯乱して転落したまま出番が終わりって…ジェリーが可哀想すぎでしょ…ジェリーはたしかにアマンダを踏み台にして捨てた酷い奴だけど、ジェリーだって!!頑張ってるんだよ…!!!(笑)

あ、あともう一つ悪っぽく?描かれているパパラッチたち。
前半は普通の芸能記者として描かれているのに、後半で急に「スクープのためなら心無いことを言う連中」って描き方になるのに、やっぱり「お、オウ、急だな!?」ってなりました(笑)
薬物にしてもパパラッチにしても、「悪いもの」という世間一般のイメージがあるから使いましたっていう取って付けた感を感じてしまいまして。もう少し要素をしぼって、作品内で「ハリウッドの暗部」を丁寧に描いた方がスッキリして良かったんじゃないかと思います。

あ、あとプロデューサーのハワードも、折角専科のはっちさん(夏美よう)を連れてきたのに、その場のノリと勢いだけでやって来た適当な人物に見えちゃって残念だったな…「古だぬき」なんて揶揄されるくらいだから、もっと狡猾でやり手な部分を見せて欲しかった。


●「結局あのポスターは何だったんや…」て話(笑)

あのポスターの是非は一旦置いといて、あんな印象的なポスターだったら劇中にそういうシーンが登場するんだろうなって思うじゃん?思いません??私は思った…んだけど。

…あんな場面、あったっけ…???

え、ありました?エステラがコンラッドを引っぱたく場面…私、目を開けながら寝てたんだろうか???全然記憶にないんだけど…あるとしたらジェリーに薬物を流していたのがコンラッドだって疑惑をかけられて、エステラが立ち去る場面だよねぇ…うーん?????
まぁポスターはあくまでイメージだけど…エステラがあのポスターと同じくらい怒っていたなら、ダイナーで再会した時にすんなりコンラッドを受け入れてカップルになっちゃうのってやっぱりどーなの!?って思うし。
で、あればあのポスターにした意味とは!?って考えちゃうし…(未だにパーフェクト先行画像を引きずっている)
ポスター撮影時、コンラッド役のさきちゃん(彩風咲奈)もエステラ役のかのちゃん(潤花)も大変だったって話を思いだすにつけ、「田淵ィ…」と思わず西の空へ向かって演出家の名をつぶやき、奥歯をかみしめてしまう私なのであった…。

とまぁつい脚本にダメ出しをしてしまったけど、推しの主演舞台だから厳しい目で見てしまうんだ、すまない…!!
いやでもホントに、前半が面白かっただけになー…後半の失速ぶりが残念でした。
でもミュージカルシーンはどの場面も楽しかったし、オリジナル作品だけあって適材適所なキャスティングも良かったと思います!
てことで、キャスト別の感想も…と思ったけど、長くなったので次の記事にします。