2021年8月12日

雪組「CITY HUNTER」全体感想

2021年8月7日~8月9日までの5公演、雪組「CITY HUNTER」を宝塚大劇場にて観劇して参りました!!
脚本に納得できなさすぎて、先に文句を色々書いちゃったんですけど(詳しくは前の記事を見てね!)…全体的には面白かったし、さきちゃん(彩風咲奈)&雪組ファンとしてはとても楽しめました!!

原作の魅力でもあるコミカルさ、かっこいいアクションシーン、そして作品の根底にある人間ドラマ。そこに宝塚らしい要素も加えつつ、賑やかで明るいけれど時にダークでシリアス、そして遊び心満載の作品に仕上がっていましたね。
いや~本当にね…上演が決まった時は色んな意味でどうなることかと思いましたけども…(笑)
ふたを開ければちゃんとシティーハンターだったし、ちゃんと宝塚だったし、さきちゃんは冴羽獠でした!!凄かった~!!!

ただね、ちょっと…いやだいぶ内容を詰め込みすぎだったなぁとは思う。配役が出た時点で「キャラ多すぎない!?尺は足りるの!?」と心配だったけど…やっぱり全然、足りてなかったと思うよ!!!(笑)
有名キャラだけではなく、ちょっとマイナーなキャラも登場するので原作ファンはニヤッとできるんですが。逆に、原作を知らない方が見るとキャラが多すぎて混乱しちゃうんじゃないかな。新しいキャラが登場しても、一体誰なのか説明が全然無いまま話がどんどん進んでいってしまうので、置いてけぼりにされてしまう方も多いのでは??
実際、一緒に観劇した身内(シティーハンターを全く知らない&宝塚もそれほど詳しくない70代女性)は、「ごちゃごちゃしていて話が全然分からなかった」と言っていたので…でしょうね、ははは…。
歌劇8月号の座談会でヨシマサ先生が「(獠の父である)海原の出てくる話が見てみたいと原作サイドの方がおっしゃって、そこから始まっていったところもある」とコメントしてましたけども、それなら獠VS海原をクライマックスに据えて、アルマ王女メインの話でまとめた方が良かったと思うなあ。一本物ならまだしも、2本立てのお芝居であの内容はどう考えても詰め込みすぎ。女優と息子のエピソードは削ってもらって、獠、香、槇村、そして海原という物語の核となるキャラクターたちの人物造形や関係性をもっと丁寧に描いて欲しかったです。
エンジェル・ダストも凄く重要なアイテムなのに、滅茶苦茶軽い扱いだったし…あれじゃどれだけヤバい代物なのか、獠がどれだけあの麻薬に苦しめられてきたのかが全然伝わらないよ~勿体ない…。

じゃあキャラクターが多い分、原作ファンなら手放しで喜べる内容だったかといえば…それもまた微妙で。
私は元々漫画やアニメが大好きな二次元オタクなんですが、漫画を実写化する時にキャラクター設定を変えられてしまうことに抵抗がある派なんですよ。いや抵抗があるというか、正直地雷です。原作を改変しないと舞台化できないのならば、そもそも舞台化しようとしないで!!と正直思う。
もちろん、理にかなった改変なら話は別です。今回でいうと、原作の「もっこり」が「ハッスル」に変わったのは「なるほど、すみれコード対策よく頑張った!!」と膝を打ちました(笑)「ハッスル」でもニュアンスは伝わるもんね。
ただ、原作のキャラクター設定を大幅に変えてしまうのであれば、もうオリジナルキャラクターにしてほしいんですよね…。
眞ノ宮るい君が演じた北尾警視正や、妃華ゆきのちゃんのサリナ、夢白あやちゃんのアルマはどれも原作にも登場するキャラクターだけど、性格も外見もまるっきり別人でした。
ネタバレになっちゃうけど、正義感に溢れた善良なキャラクターを、同じ名前と職業のまま悪役に変えてしまうって酷くない!?もうそのキャラである必要がないじゃん!!原作のキャラをモデルにした創作キャラなら、せめて名前を変えて別人にしてくれー!!
こんなん、もしも自分の推しキャラでされたら一生宝塚を恨むレベルだかんね!?推しへの愛を舐めるなよ!?たとえ原作者が変更を許したとしても、ファンは絶対許さんからな!!??

そして前回の記事の繰り返しになってしまうけど、「このキャラはこんなことしないぞ!?」という解釈違いがメインキャラで散見したのが残念だったなぁ…。
ヨシマサ先生には、小手先の芸(小ネタ)に走る前にストーリーの骨組をしっかり作って頂きたい…。まず大本のストーリーをしっかり作ってもらった上で、小ネタで楽しませてもらいたいんですよ…!!小ネタはあくまでオマケなんだから、そこばっかりに力を入れられても困るんだよ~!!

あ、でも獠とアルマ王女の淡いロマンスはとても素敵でした!というか、個人的にはあの二人(というかアルマ王女)にこの舞台でのほぼ全てのときめきが詰まってました(笑)
もう滅茶苦茶性癖に刺さったわ…「カリオストロの城」みたいな、お姫様と騎士って関係にわたしゃ弱いんだ…。二人で新宿の夜景を眺める場面はすごくロマンチックだったし、最後の別れの場面も獠の優しさや温かさが溢れていてキュンキュンしました!

あと、脇を固める準レギュラーキャラの冴子や、海坊主&美樹さんは凄く良かったです!!
冴子のナイフや海坊主のバズーカーの再現度も素晴らしかったし、キャラの再現度も素晴らしくて!海坊主なんて普通の舞台でも再現が難しいだろうに、宝塚でどうやって出すのさ!?と誰しも思っただろうに、めっちゃ海坊主でしたわ…いかついけれど、中身はめっちゃ優しくてピュアで可愛い海ちゃんそのものでした。感動した。

そして今回、小道具・大道具さんの芸の細かさやネタの仕込み方は本当に素晴らしかったですね!!スカステの「ステージ・ドア」で是非特集して欲しかった~!!
香のハンマーも場面によって張り紙で文字を変えていたり、新宿の街頭で配るチラシにはちゃんと原作のイラスト(冴羽商事のチラシには獠の顔、RN探偵社のチラシには麗香の顔)が描かれていたり、獠が冴子に貸しを作ってるツケチケットには全て「ハッスル♥︎」と書かれていたり(前方席の時にオペラで真剣に確認してしまったw)。あと香が獠に残す書き置きに、原作でお馴染みのカラスの絵が描かれていたって話も聞いたので、細かい部分で本当に色々ありそう(笑)
ちょっと嬉しかったのは獠の愛車である、赤のミニ・クーパーが登場したこと!しかもナンバーが獠ちゃんの誕生日である「03-26」になってるのがまた!ニクイ!!(獠の誕生日については胸キュンエピソードが満載なので、原作未読の方は是非読んでくれ~!!)

映像演出も上手いな〜と感心しきりでした。新宿の場面ではアルタの大型ビジョンのイメージだったのかな?「MY CITY(平成元年当時、新宿駅東口にあったファッションビル。現在のルミネエスト新宿)」ならぬ「YOUR CITY」のセール広告や、「平成ベルばら」や「ジタン・デ・ジタン」といった当時の宝塚歌劇の広告が映るのも面白かったなぁ。あと北条司先生(らしき人w)が32年後の舞台化を宣伝してたり!
そして大事な伝言板!場面によって書かれている内容が違っていたんですが、「9/13と11/14は千秋楽!!」と普通に宣伝(?)が書いてあったりもして。これは日替わりネタとかもそのうち生まれそうだなと思いました(笑)

色々書いちゃったけど、雪組の皆さんが活き活きと舞台の上で生きているのが伝わってくる舞台で、組ファンとしてはとっても嬉しかったです!!やっぱり組子全員が出演してるって嬉しいし、ありがたいなぁ…。
ただ、ストーリーやキャラ変でモヤモヤする部分が沢山あったのは残念だなぁという話で。東京公演で演出変更があると嬉しいんだけどなぁ…でも少し変えるくらいではどうにもならないから難しいかな…グスン。
とりあえず今は、宝塚での公演がつつがなく千穐楽を迎えられるよう祈ります。なんたって大劇場トップお披露目公演なんだもの。
もーホント、世の中早く落ち着いてくれー!!

キャスト別感想もちょこっと書きたいんですが、ここまでで大分長くなったのでまた改めて〜!

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