2019年10月19日

雪組全ツ「はばたけ黄金の翼よ」感想

2019年10月14日、雪組全ツ「はばたけ黄金の翼よ/Music Revolution!」の川崎公演を観劇して参りました!
私は「はばたけ」の過去公演も原作も全く知らなかったので、演目発表になった時のざわめきっぷりに「そんな有名作なの!?」とびっくりしたんですが…麻実れいさん退団作の再演として話題になったのもあるけど、

●主人公が2番手男役に鞭で打たれるシーンがある(しかも鞭で打つ理由が、主人公への愛をこじらせた故っていう)
●当時トップ娘役が不在だったので、ヒロインに若手男役が抜擢された

の2点で特にざわめいていた印象。ま、そりゃ~ざわつくわな!特に鞭!!(笑)
というわけで私も「誰がだいもん(望海風斗)を鞭で打つのかな~!?」と2番手キャラ・ファルコの配役を楽しみにしていたし、あーさ(朝美絢)に決まった時は「ウェェェェェェイ!!!!こじらせあーさ!!!!超楽しみ~!!!!!!!」と太鼓(エア)をドンドコ打ち鳴らして踊り狂う勢いで喜んだものです。
が。

…ファルコ、鞭打たないやんけ……(ショボン…)

問題のシーン、小柳先生演出で変更になっていたようで…なんてこった!!
あの美しい瞳に狂気を宿らせ、鞭を振るうあーさをめっっっっちゃくちゃ楽しみにしてたのに!!!!!!(笑)

でもまぁ全体的にはとても良かったです。王道ラブストーリーなだいきほがやっと観れた!!という多幸感がすごい…ここまで長かったよねぇ…。「20世紀号に乗って」もハッピーエンドだったけど、あれは映像に残らない作品だったし。
改めて、だいきほハッピーエンドおめでとうございます…!!「末永く幸せに暮らしました」で終われるだいきほは!ここにあった!!

女性キャラの人物関係が私には若干複雑だったものの(「●●の妹」とか「▲▲の娘」とかの説明に頭がこんがらがった…)、大筋は長年敵対している王族の王様とお姫様が政略結婚して、最初はいがみ合うものの段々と惹かれ合っていき…という「ザ☆少女漫画」な王道ストーリー。
しかも舞台が中世ってことでコッテコテなコスチュームプレイものかと思っていたら、そこはさすが小柳先生でした。中世のクラシカルでゴージャスな世界観は活かしつつも、お芝居のテンポや演出は現代的で、とても観やすかったです。
まぁストーリー後半~終盤のジュリオとビアンカには「それでいいんか!?」と若干モヤっとしたけど…時代のせいということにしておこう…。

ゴージャスな衣装や世界観は「これぞ宝塚」な雰囲気が味わえるし、ストーリーも少女漫画的な胸キュンポイントが多い。そして書き下ろしの新曲もあるから、だいきほのすんばらしい歌も楽しめる…と、「全国ツアーで初めて宝塚を観る方」にはうってつけなお芝居だったのではないかと思います。まぁその、チケット難すぎて初めての方でも観られる公演になってたのかは正直よく分からないんですけど…。
でもこの公演でまた全国に宝塚ファンが増えて、その中から未来のスターが生まれたら素敵ですね!
さてさて、以下はキャストごとの感想です。


☆ヴィットリオ@望海風斗

か~~~~~~~~っこいい!!!!!!!(ズキュウゥゥゥゥン!!)
ビジュアルは最初「うーん、微妙…」と思ってたんですが、中身があまりにかっこ良かったので最終的にはだいもんのヴィットリオ様にメロメロになりました…「カリオストロ(「ルパン3世」の時の)再びかな?」くらいに思っててどうもすみませんでした…。
冷酷で、自国の利益しか考えていない権力者。でもヒロインとの出会いで段々変わっていき…って役どころがまぁハマることハマること!俺様だけどピュアなだいもんが最っっっ高でした!!

好きな場面も沢山あったなぁ…クラリーチェに「この国で一番の剣の使い手を教師につけよう」と告げて呼び出して、教師として自分が行っちゃうところとか(「この国で一番の剣の使い手と言えば俺のことだ」というのがまた気障で俺様で最高~!!)
クラリーチェの命を救うために自ら剣を捨てて捕らえられ、牢に繋がれて鞭で打たれる場面とか(鞭を打つのがファルコではなくなったけど、鞭打ちの場面はあって良かった!美しいお方が鞭で打たれ苦しむ姿の背徳感よ…っか~!!たまらんばい!!)
そしてラストシーンの、旅立とうとするクラリーチェを無理に引き留めようとせず、「また戻ってくればいい」と言って背中を見せるところ!!最高!!台詞はうろ覚えなんですけど、ヴィットリオがクラリーチェの自由な魂を愛していること。無理に引き留めても彼女の心は自分のものにならないと思っていること。それでも最後には自分の隣にいて欲しいと願っていること…そういう様々な思いが伝わってきて、「キュン☆」を通り越して「ギュンッ!!!!!」と体がねじ切れる勢いで萌えました…あ、あんなに自信満々な俺様暴君だったくせして~!あーんな寂しげな背中を見せられたら堪らなくなっちゃうよ!!好きです!!!
なんだろう、まとめるとツンデレ暴君キャラ?あの望海風斗様のツンデレ暴君って最高じゃない??イエス、最高です!!(確信)

…しかしあの、あまりにも胸キュン展開が凄くてですね…お芝居を観ながら「私、夢小説を読んでいるのか?それか乙女ゲーをプレイしてるんだろうか…??」て感覚になりました(笑)
自分に刃向かってきたクラリーチェに「面白い女だ」と興味を示したり、「本当は最初に出会った時から惹かれていた」って告白したり…この辺がオリジナル脚本通りかは存じ上げないのですが、さすが乙女ゲー要素を宝塚に取り入れた小柳先生だな…と思ったのでしたw


☆クラリーチェ@真彩希帆

わ、私が観たかったきいちゃん(真彩希帆)の姿がここにある…!!!!!
と観劇中、思わずガッツポーズしそうになりました…私はですね、ずーーーーっと剣を振り回して戦うきいちゃんが観たかったんです!!あ、勿論ヒロインとしてね!!

ちょっと「はばたけ」の感想からずれますが、私はだいきほで「エル・アルコン」を観たいなとお披露目の頃から思ってまして。というのも、だいもんの「女は抱かれていればいい」という悪い男な台詞が聞きたくて堪らなかったのと、戦うヒロインとしてドレス姿で剣を振るうきいちゃんが観たかったからなんですが…もう叶わぬ夢だろうな、と諦めておりました。
でもその夢にとても近いものが!「はばたけ」で観られたんです!!しかも「エル・アルコン」とは違うハッピーエンドで!!!ううう嬉じい~;;;;;

きいちゃん演じるクラリーチェは、中世のお姫様でありながら「自分の生きる道は自分で決めたい」というとても現代的な感覚を持った女性。
ヴィットリオのために長い髪を切り、彼を救うために困難へ挑んでいく強さがある一方で、親の仇である男に惹かれていく自分に戸惑う少女らしい一面もあり…そんなヒロインをとても魅力的に演じていたと思います。
序盤でヴィットリオを「マントヒヒ!醜い豚!!」とののしるところはとっても可愛かったし、剣の稽古を受けるところも可愛かったし、髪を切って少年のふりをするところも可愛かったし、最後は自分の心に素直になってヴィットリオの背中に抱き着くところも可愛かった…つまり全部可愛かった…。きいちゃんがこんなにヒロインらしいヒロインを演じてくれて、あたしゃ嬉しいよ…。

歌声も相変わらずの美しさで…だいもんとのデュエット曲は新曲ですよね?
青木先生の素敵なメロディーとだいきほのデュエットも堪能できて、大満足でした!!


☆ファルコ@朝美絢

登場してきた瞬間、「美ーーーー!!!圧倒的に美ーーーー!!!!!美は!!!正義!!!!」と心の中で叫んでしまうくらい、めっちゃ美しくてかっこよくてヤバくて最高でした…ホント最高でした…(大事なことなので2回言いました)
プラチナブロンドのストレートロングヘアがとんでもなく似合っていたし、中世の華やかな衣装がまた似合うのなんの…!!あの黒地に金の装飾を施した騎士姿(?)が最っ高~~にカッコ良かった…何回でも言うけど本当~~~にカッコ良かった…。

「ひかりふる路」のサン=ジュスト、「壬生義士伝」の斎藤一、そして「はばたけ黄金の翼よ」のファルコ。
こんなに「滅茶苦茶顔が良いけど中身がやべー奴」がハマるあーさは本当に素晴らしいと!!思います!!!(誉めてます!!)
どれも私の萌えツボをざっくざく刺してくるから、観れば観るほど好きになってしまうよ~!!しかもどんどん上手くなってる&輝きが増し増しになってるんだよ~!!マジ勘弁してほしい…好きです!!!!!

ファルコはこじらせキャラとは聞いてたんですが、あーさの美しいお顔×ファルコのヤンデレキャラって組み合わせがもう強すぎてですね…。
ヴィットリオを心配するあまりクラリーチェを亡き者にしようとしたり、その件で国外追放されたら可愛さ余って憎さ百倍とばかりに敵国側に寝返って見たり、でもやっぱりヴィットリオを憎み切れずにクラリーチェ共々命を助けたり…ちょっと(?)やり過ぎな面もあるけど、本当にヴィットリオを大切に思っていたんだろうなと思うと、彼の辿った運命って切なくもあります。あんなにねぇ「♪ヴィットリオのために~」て歌ってたのにねぇ…。
でもその的外れな愛情と、報われずに堕ちていくところがまたいいんだよな~~~!!!!!!!

それだけに、こじらせすぎてヴィットリオを鞭で打つ場面が変更になってしまったのはやっぱり残念だな…ただ鞭で拷問するってだけなら他の作品でも見ることあるけど、こじらせた愛ゆえってのは中々ないだろうからなぁ~。うーん、観てみたかった!

あとこれはショーも含めてだけど、あーさがトップスターの主演作で二番手男役を務めていたことがとてもとても嬉しかった…!!今後ますますのご活躍を楽しみにしている身としては、この公演の評判が人事に結びつきますようにと祈るばかりでございます…はぁ…。
とりあえずファーストフォトブック、予約しまぁす…!


☆ジュリオ@永久輝せあ

「はばたけ」に不満があるとすれば、ジュリオが今一つよく分からないキャラだったってことかな…善人なのか悪人なのか、有能なのか無能なのか、最後までどーにも分からなかった。
序盤でビアンカと話している時は、妹・クラリーチェを敵国に嫁がせることに抵抗を感じていて、その姿に嘘はなさそうに見えてたんですけど。
その一方でヴィットリオを陥れるために兵を蓄えたり、ファルコを仲間に引き入れたり、ついにはクラリーチェを利用してヴィットリオを捕らえたり…。裏で手を引くグリエルモ伯爵の存在があるにしても、クラリーチェを心配して胸を痛めていたジュリオはどこにいっちゃったんだ??って感じでした。
婚約者のビアンカのことも大切にしていたはずなのに、ヴィットリオを罠にハメるために彼の寝所へ向かわせることを了承したり…うーん、時代背景的に女性が犠牲になることはあっただろうけど、それにしたってビアンカは可哀想だったし、最後に2人が結ばれる前にちゃんとフォローをしてあげてほしかったなぁ。

でもひとこちゃん(永久輝せあ)自身は衣装もよく似合っていてカッコ良かったし(羽根つき帽がめっちゃ似合ってた!)ビアンカ役の彩みちるちゃんと結ばれる姿が見られたのも嬉しかった!!
この公演で雪組の王子様姿も見納めか…と思うとやっぱり寂しいけれど、ひとこちゃんが花組でどんなスターになっていくのかも楽しみです!!頑張って欲しい~!!


☆ロドミア@朝月希和

だいもんに届かぬ想いを抱いているひらめちゃん(朝月希和)って役どころが新鮮だな…!!と最初驚きましたが、とっても良かったです!!
キャラクターとしては結構過激な行動に走ったりもしていたけど、それも全てヴィットリオへの愛ゆえ…と書いててファルコを思いだし、そういえばこの2人兄妹だった!!なるほど、兄も妹もヴィットリオをこじらせている「こじらせ兄妹」だったんだな!!と妙に納得した次第です(笑)
いやでもホント…血は争えない感が凄いというか、愛憎のふり幅が兄も妹も激しすぎるというか…この2人の親って、いったいどんな親なんだ???(笑)

それはさておき、ロドミアが酒場で歌う場面はひらめちゃんの歌声と妖艶な雰囲気がとても素敵だったし、最後にヴィットリオを守るために自ら毒を飲んだところは切ないけどかっこ良かった…;;;残念ながらロドミアの恋は実らなかったけど、ヴィットリオに彼女の愛がちゃんと届いたのは良かったねぇ…。

お芝居も歌もダンスもできるひらめちゃんがいなくなってしまう穴は大きいな…と改めてションボリしていますが、花組に戻られたら「マスカレード・ホテル」でヒロインですしね!応援するっきゃないや…!!(でもやっぱり寂しいよ~エーン…!!)


☆ジーノ@彩海せら

可愛い。
前から思っていたし知っていたけど、あみくん(彩海せら)は可愛い。ジーノの末っ子キャラ的な可愛さがあみくんに合っていてとても良かったし、ロドミアに憧れつつも全然相手にされないところも可愛かった!!
男役スターとしては可愛すぎたり、「少年」てイメージがつきすぎるのってあんまりよくないのかな?分からないけど、学年を重ねると段々大人っぽくはなっていくと思うので、今のうちにあみくんの少年役を沢山見ておきたい。そんな気持ちでいっぱいです。
あみくんも何でもできるタイプだから、将来は素敵な男役スターになるだろうなぁ…と思いつつも、今は少年役を!私は!!見たい!!

そして「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」ではドミニクを演じてくれるといいなと願っています!!(欲望に素直)


と、また大分長くなったのであとは簡単に~。

●久城あす君のグリエルモ伯爵もすごく良かった~!!あす君は悪役を演じても上手いんだなぁ…出番も多くて嬉しかったです!

●叶ゆうり氏が一瞬めっちゃかっこいい姿で登場するのにすぐ引っ込んでしまい、次の場面では酒場の主人の姿で出てきたもんだから「あの叶ゆうり氏は幻だったの…?」と思いました。プログラム確認したら幻じゃなかった、良かった!ボルツァーノ兵姿の叶ゆうり氏、もっとゆっくり拝みたかったわぁ…。

●舞踏会の場面で、有栖妃華ちゃんが歌手として出てきたのすごく嬉しかった~!!素敵な歌声をありがとう、ありすちゃん!!

●にわさん(奏乃はると)の教皇様、お供が二人いて何だか水戸黄門みたいだな…と思って観ていたんですが。ヴィットリオとジュリオの決闘シーンで、追い詰められたグリエルモ伯爵が「教皇も殺してしまえば問題にならない!」と言い始めたところで「水戸黄門で悪役が逆切れする時のパターンだ!!」と改めて思いました(すっごいどうでもいい感想だなと思ったけど書いておきたかった)

ショーの感想も書けたら書きたいな…大劇場版と大体同じ構成だったけど、印象はかなり変わったので。

0 件のコメント: