2019年6月25日

花組「花より男子」感想

※以前ぷらいべったーに掲載した文章の再掲です

2019年6月23日、花組の「花より男子」を観てきたよ!!
いや~ツイッターにも書いたけど、想像の300万倍くらい楽しかったです!!
というわけでざっくり(?)感想を書くぞ!!

超有名な少女漫画原作作品ですが、私は学生時代に漫画の最初の方を借りて読んだのみ。
ドラマも国内版・海外版ともに未見だったので、話についていけるかなぁと若干不安もありましたが全然問題なく楽しめました!
滅茶苦茶スピーディーに話が進むんだけど、登場人物たちの心理描写や関係性の変化はきちっと抑えていたので分かりやすかったし、少女漫画らしい胸キュンシーンも沢山あって楽しかったな~!!

とにかく話がサクサク進むし、これブロードウェイ作品だっけ?ってくらい歌とダンスがてんこ盛りだったので、良い意味で現代日本物作品の難しさを中和してくれてるように感じました。
いや、やっぱりさ。難しいと思うんですよ、現代日本のしかも高校生が主人公の話を宝塚で上演するって。宝塚の良さの一つに「美しく非現実的な世界に浸って、現実の辛さや苦しさを一瞬でも忘れられること」があると思うんですが、そういう方からしたら「何で一瞬でも忘れていたい『現実』を宝塚で見せられなきゃならんの?」と思うかもしれない。その上いじめとか格差社会とか、リアルな社会問題まで描かれている作品だし現実感てんこ盛りだよね(逆に漫画作品としてはそこら辺でリアリティを出してると思うのだけど)
でも、超金持ち学園を牛耳っているF4(というか道明寺)と超庶民ヒロインつくしが出会うきっかけになるのが正にいじめと格差だからさ、作品としてそこは絶対に避けられない要素でもある。

そういう「宝塚」として上演するにはハイリスクなエピソードに、歌とダンスというレビュー的な楽しさ(宝塚らしい非現実感)をぶつけてきたのがとても良かったと思います。いじめっこ側に回るクラスメイトたちの歌ってる内容は「つくしを学園から追い出してやろう!」と物騒でも、歌って踊りながらやってる時点で非現実感が凄いもんね!(笑)
れいちゃん(柚香光)が通し舞台稽古後の囲み取材で「こんなに急に歌い出し、踊り出す牧野つくしと道明寺司もいないだろう(笑)と思います」とコメントされているのを見て、そりゃまぁそうでしょうね…くらいに思ってましたが「急に歌いだし踊りだす(非現実的な)道明寺とつくし」だからこそ、宝塚の舞台としてきちんと成立したのではないかな。そんな風に思いました。

あ、あと「これでもか!」というくらい使われている映像演出も、2次元と3次元の世界を上手く繋いでくれてましたね。スチル背景は乙女ゲーっぽさもあったかも。それも作品の雰囲気に合っていて良かったと思います。
そういえば冒頭で原作イラストからF4が登場してくる演出があったけど、あれは「ベルばらかよ!」って突っ込むところだったのだろうか(笑)
まぁ、時代は違えど同じマーガレット連載の大ヒット漫画ですしね!野口先生の遊び心だったのかなw

野口先生ってジャニオタのショー作家ってイメージでしたが、お芝居もきちんと作れる方なのだなぁ。
ストーリーのまとめ方は正直「はいからさんが通る」の小柳先生の方が上手いかも?とも思いますが、やはり爆萌えショーを作られる方だけあってダンスシーンの使い方が上手い!(あ、わたくし野口先生のショー大好きマンです)
野口先生のショーって燕尾にケインを持って踊る場面が度々あって、あのブロードウェイっぽさ(伝われ)が大っ好きなんですよね。今回だと、食堂でウェイターのびっく(羽立光来)とトレイを持った学生たちが歌って踊る場面、あそこが「うわー野口先生っぽい!!最高!!」てなりました。上手く言えないけど、ああいうアメリカのミュージカルっぽさ(私は米ドラマの「glee」を思い出した)を自然に宝塚へ組み入れられるところが野口作品の好きなところです。

そして忘れちゃならねぇ、今作はなんたってフィナーレが最の高!!!!!
クリスマスソングのメドレーって季節外れではあるけど、本編にリンクしていたのはすごく良かったからむしろ現実の季節が今すぐ半年進んで12月になるべき!!って思いましたね、ええ!!
一本もののフィナーレだから時間としては短いんだけど、花娘たちの美しいドレス姿とダンス、花男たち(笑)のかっこいい群舞が堪能できる素敵なフィナーレだったよ~!!
何より本編とリンクしたれいちゃんとしろきみちゃん(城妃美伶)のデュエットダンスがとっても素敵だった!!
本編中でも道明寺なれいちゃんは色んな場面でカッコ良く踊ってるんだけど、しろきみちゃんはつくしとしてへたっぴなダンスしか披露できないのがちょっともどかしくて(笑)
なので最後に二人の素敵なダンスを見られてとても嬉しかったし、「ラストシーン後、NYで再会した道明寺とつくし」にも見えるのがオツでしたね~!捌ける時にれいちゃんに手を引っ張られてくしろきみちゃんの姿はまんま道明寺とつくしだったしw
本編も楽しかったからもう一回観たいな!と思いましたが、フィナーレはあと30回くらい観たいな!って思いましたwww

始まる前は正直色々とモヤる部分もあった宝塚版「花より男子」ですが、上質なラブコメミュージカル作品になっていたと思います。
今回、公演期間中にみりおさんの横アリコンサートに出演があったりとまたどえらいスケジュールになっていますが、出演者の皆様が怪我やトラブルなく無事に千秋楽を迎えられますように!!そして野口先生、愛溢れる作品をありがとうございました!!

以下キャスト別感想です。


☆道明寺司@柚香光

も~~~~すっごくあほ可愛かった!!俺様(かつ序盤は大分KUZUな)キャラをあんなにあほ可愛く、それでいてかっこ良く演じられたら惚れざるをえないわ!!(笑)
原作漫画をちらっと読んだ時に「いやどう考えても道明寺より花沢類を選ぶでしょ、これは」と思った記憶があるんですけど、れいちゃんの道明寺は本当~に不器用ながら一生懸命で、馬鹿だけど一途で、イケメンなのに可愛くて…これは道明寺を応援したい!!と自然に思えました。「生まれながらに全てを持っている男なのに、どうしても欲しいものは中々手に入らないもどかしさ」が絶妙に表現されていて、とても良かったですね。
そういえば「はいからさんが通る」でも原作で青江冬星派だった私を伊集院少尉に転ばせたんでしたわ…れいちゃんの圧倒的スターオーラはやっぱりすごい。
れいちゃんは歌が…とよく言われるけど、丁寧に歌っているなという印象でそこまで気になりませんでした。オリジナル楽曲なら今後も大丈夫なんじゃないかなぁ…?
そしてそんな不安要素なんて気にならないくらい、ダンスが滅茶苦茶かっこよかった!!つくしがエステを受けてる場面で何故かマイケル・ジャクソンみたいに踊ってたけど、そこだけレビューのワンシーンみたいだったもんな~!「何で踊ってんの??」て最初は思うんだけど、見ているうちに「まぁ…かっこいいからいいか…(拝む)」て気にならなくなるし、むしろありがたくなるっていうw

あと殴られ方がめっちゃ上手いですね!!!!!重心の動かし方が上手いんだろうなぁ…最後の花沢類と殴り合う場面で、れいちゃんの殴られ方があまりに上手いから花沢類の方がめっちゃ強く見えてしまうというwww
殴られるといえば、桜子からつくしを守るためにチンピラ(?)たちに殴られる場面も良かったな~!あんなに俺様だった道明寺がこんなに変わって…とうっかり泣けました(泣いてる自分にびっくりした)
ご本人が思い入れのある作品で主演ができて本当に良かったと思いますし、れいちゃん以外の道明寺はもう考えられないな~!というくらいのハマり役だったと思います。ときめきをありがとうございました!!


☆牧野つくし@城妃美伶

しろきみちゃん、とても好きな娘役さんなんです。お芝居も歌もダンスもできて、娘役らしい品の良さもあって。
なのでヒロインに決まった時は嬉しかったんですけど…「ザ☆庶民」なつくし役ってどうなんだろう?どちらかと言えば静さんとかのがハマるのでは…と心配な気持ちも少しあったんですが…。

勝手に心配して本当にすみませんでした!!めっちゃつくしでした!!!!!

明るく元気なことが取り柄の、普通の家の普通の女の子。そんな庶民派ヒロインを高い身体能力をいかしまくって(笑)とっても魅力的に演じてらっしゃいました!!
道明寺と出会う場面での、飛び蹴りフォームの美しいこと!思わず「しろきみちゃんカッケェ~!!」と心の中で拍手!!
そして終盤、ドレス姿で片手側転をキメる姿に再び「しろきみちゃんカッケェ~!!」となるというwww

で、何よりいいなぁと思ったのが可愛すぎないこと。あ、これはしろきみちゃん本人がどうこうということではなく、つくしという役を演じるにあたって、「庶民的なあか抜けなさ」をきちんと残していたという意味です。
いやだってつくしの私服ってめっちゃダサいし、髪形もオシャレではないですよね!?それをちゃんとダサく見せてるとこが素晴らしいなって!!(誉めてます!!)
地味でダサくても、人間的な魅力に満ち溢れているからこそ道明寺はつくしに惹かれたというのがこの物語の肝になる部分かなと思うので、しろきみちゃんの役づくりはとてもとても良かったと思います。
そして歌がやっぱり上手~!!この作品がバリバリミュージカルとして成立したのも、しろきみちゃんの安定感ある歌声あってこそだと思います。ありがとう、ありがとうしろきみちゃん!!


☆花沢類@聖乃あすか

キャスト発表前、しょ~~~~じきに申しあげれば花沢類は「第一希望:水美舞斗、第二希望:帆純まひろ、第三希望:綺城ひか理」て感じでした。マイティー(水美舞斗)が好き、かつれいまい萌えなもんで…へへへスイマセン…。
そこへあすか君が花沢類に決まって、マイティーがバウに特別出演で…という流れにちょっと微妙な気持ちにもなりました。
が、蓋を開けてみたらあすか君の花沢類、思った以上にハマっていたと思います。
ちょっとこもりがちな声も、ふわふわした不思議キャラの花沢類という役には合っていたと思うし、間の取り方も良かったです。
つくしに「お金で買えないものって何だと思う?」と聞かれて「空気…かな」と答えるところの花沢類感!!それな!!ってなりましたw
あと全身真っ白な衣装が似合っちゃう王子様っぽさ、すごかったなぁ。


☆美作あきら@優波慧

原作の美作あきらが全然印象に残っていなくて(スミマセン)、ビジュアルはこれで本当に大丈夫なのだろうか…??とも思いましたが(スミマセン)技術面で舞台をしっかり支えていたと思います。
あ、でもビジュアルはポスターより舞台の方が落ち着いてたかな?
ゆーなみ君は活舌がよいのでセリフがしっかり聞き取れるし、歌も歌えるし…F4のうち二人が新公学年(内1人は新公主演経験もなし)なことを考えると、「陰のまとめ役」ってポジションを担当したのも分かるかも。
最後に桜子とくっついたのはビックリしたな~!二人ともどうか真っ当な道を歩んでね、という気持ち…(笑)


☆西門総二郎@希波らいと

大大大抜擢ですよね!研3でこのポジションを演じるってえらいこっちゃで…!?とよく知らないながら勝手に「大丈夫かしら…」と気になっていたらいと君ですが、堂々と、かつ伸び伸びと演じていてとても良かったと思います。
超プレイボーイというチャラさもありつつ、茶道の家元の息子としての凛々しさもあり。着物姿も素敵だったな~。
そして顔が小さくて背が高くて手足も長くてスタイルが良い…!!
声も良いなと感じたし、お芝居も歌もダンスも伸びしろがいっぱいあると思うので!これからがとても楽しみな男役さんですね。頑張ってほしい~!!


☆三条桜子@音くり寿

おとくりちゃんすっげーーーー!!!!!!!
現場からは以上です、で締めたくなるくらい圧巻の演技を見せて下さいました!
序盤の大人しそうな女の子が、クラブシーンではジュリアナ系衣装でバリバリ踊って高笑い(してたよな…?)、そして道明寺への復讐のためにつくしを利用する場面での女王様感と悲痛な乙女心の吐露、かーらーのしたたか過ぎて何だか憎めないぶりっ子キャラ…変幻自在ですよねぇ、本当に上手!!お芝居も上手いし、ダンスも上手いし、歌えばあの美声で…はースッゲェ~!!
この作品の個人的MVPはおとくりちゃんに贈りたい。それくらい素晴らしいパフォーマンスを見せて頂きました、ありがと~!!


あと印象的だった生徒さんを箇条書きにて

・羽立光来氏の存在感が凄い…スゲーびっくでどこにいてもびっく。めちゃめちゃ目立つしキャラ立ちまくってるし歌は超上手いし、見れば見るほど好きになってしまう(笑)

・冴月瑠那さん、「明日海りおさんに似ている」と友人に言われても今までピンと来ていなかったのですが、ティーン・オブ・ジャパンの司会者として黄色いスーツで出てきた瞬間「恋アリのみりおちゃんじゃねーか!!」てなりました。確かに似てた、ようやく分かった…w

・鞠花ゆめさんの存在感も凄かった…女子高生やっちゃうんですかマジですか!?とちょっと思ったりもしたけれど、めっちゃくちゃハマってて素敵でしたw

・都姫ここちゃんがドチャクソ可愛かったんですけど…ティーン・オブ・ジャパンの参加者として出てきた瞬間、遠目でも「めっちゃ可愛い子いるな!?」とオペラでロックオンしてしまった。あのギャルゲーみたいな制服を着こなせるのは真のかわい子ちゃんだけやで…野口先生、分かってらっしゃる!

てことで、ザックリと言いながらやっぱり長文になってしまった花男感想文でした!

0 件のコメント: