2019年8月14日

雪組「Music Revolution!」感想

「あ、中村B先生だわ」って感じのショーでした。
終わり。

ってだけだと、さすがに後から自分で読み返しても何のこっちゃ?となりそうなので(笑)
うーん何だろうな、B先生のショーって色んな生徒さんに見せ場を作って下さるところは好きなんですけど…個人的には萌えないショーだったんですよね。
んで、何で萌えなかったのかなぁ?と考えてみた結果、

●衣装…全体的に地味だったなぁと。ド定番のガウチョや黒燕尾は良かったけど、このショーならではって衣装が私の好みではなかった。
●構成…単調。組子たちの歌やダンス技術は滅茶苦茶高いのに、見せ方がワンパターンなので場面が変わっても新鮮味が無く感動が薄れる。セットや盆もあまり使われてない…というか、平場で大人数でのダンス!ばっかりだったような。
●音楽…だいきほの!歌を!!もっと聞かせて!!!ください!!!!
●テーマ…「音楽の起源から今日に至るまでの発展」ってどの辺が???という感じ。全体的にストーリー性が感じられなかったのも単調に感じた原因かな~。
●絡み…これは最後に。

って感じでした。
一場面ごとで見れば悪くはないけど、全体を通して見ると面白みに欠けてたなぁ。ちょっと前の雪組ショーで似たようなの見たなって思う場面もあり…今の雪組を知り尽くしているB先生だからこそ、舞台の見せ方を工夫してほしかったなとも思います。まぁ好きな組だから何度見ても楽しめるんですけどね!!(逆に好きな組でなければ、一度で充分なショーでした)
ただこれは私の好みの問題なので、「ミュレボ大好き!!」って方が沢山いるのも分かるし、全力で歌って踊ってキラキラしてた雪組の皆さんは素晴らしかったです!!

以下、場面ごとに印象的だった部分の感想を書きます(組子は褒めるけどショーにはケチつけまくってるので、ミュレボ大好きって方にはお勧めしないよ)


●プロローグ

初見時、2階1列目で観劇だったんですけども。
だいもん(望海風斗)、さきちゃん(彩風咲奈)、カチャ(凪七瑠海)の3人がセリの上から登場だったもんで、「目線に近い高さだヒャッフー!!」とつい欲望のままさきちゃんをオペラでロックオンしてしまい、他の組子がどこから出てきたのか分からなかったという失態を犯しました…w
で、2回目観劇時にちゃんと全体を見たら、セリの中からどんどこ男役スターたちが現れてくるという!!この始まり方は良かったと思います。
ただ衣装がね…黒×銀の組み合わせってかっこいいけど色味としては地味よね…。背景のステージも暗めだったから余計に黒い衣装が沈んじゃって。どちらかでもっと明るい色を使っても良かったのでは?と思いました。

このプロローグで個人的に「おっ!」となったのは第4場(Love Revolution!)で、舞台後方のお立ち台?で歌ってたケンジ(ゆめ真音)とありす(有栖妃華)。
ケンジくんは、さきちゃんのブリネクで料理上手かつ気配り上手な面を見てから気になり始めた方なんですけど舞台技術も高いんですよね~!特に歌とお芝居が好きなんだなっていうのがよく伝わってきて、これからも楽しみな男役さんです。なのでプロローグで歌の場面をもらっているのを見て嬉しかった!!
ありすちゃんは「ファントム」のビストロ場面で美声を聞かせてくれた歌うま娘役さん!本当に伸びやかで澄んだ歌声なので、もっと活躍してくれると嬉しいし具体的には新公ヒロ来て欲しいなぁと思ってます…わたしゃ歌が上手い子が好きなんじゃよ…。


●革命と独立(ガウチョとスペイン兵)

宝塚のガウチョ衣装大好きマンなので凄く楽しみだった場面。
しかもあーさ(朝美絢)を中心としたスペイン軍と対立する設定、と知って「やったー!だいもんのガウチョと一緒にあーさの軍服も一緒に観られるとかラッキー!!」とか思ってたんですが。

なんか…踊ってるだけだったなって…。

いや、ビジュアルも歌もダンスも良いんです。だいもんや翔くん(彩凪翔)たちのガウチョ姿はとっても美しいし、だいもんの歌はいつも通り最高だし(♪革命のよぉ~るぅ~!!のところなんて最高オブ最高)
セリの上で一列に並んだあーさやひとこ(永久輝せあ)たち軍服集団もめっちゃかっこ良くて壮観でした!!

…んだけど、もう少しストーリー性が欲しいよ~~~!!

折角「スペイン軍とガウチョたちの争い」という設定をつけたなら、その設定をもっと活かしてほしかった!!
一場面の中にざっくりでも起承転結がないと、何かぼんやりした印象に終わっちゃうんだよなぁ。
きいちゃん(真彩希帆)も一応「恋人」って役名になってる割には、だいもんと濃密に絡むってわけでもなく…スカステのナウオンステージでも、きいちゃんの「私、あの場面で『恋人』ってお役で」という話に、だいもんが「え、そうなの?」て反応してたよね。設定がまるで活きてないじゃーん!?って引っくり返ったわ。

「スペイン軍の支配に怒りを募らせるガウチョたち→革命勃発→傷つきながらも自由を勝ち取ったガウチョたち」
って分かりやすいストーリーをつけてもらえば、もっと盛り上がったのではないかなぁ?
ド定番な展開ではあるけど、スペイン兵あーさに襲われたガウチョだいもんを守るため、恋人きいちゃんが身を呈してかばう→だいもんの腕の中で息を引き取るきいちゃん、その後ろでは自由を勝ち取ったガウチョたちが凱歌を上げる…とかね。
設定は悪くないのに、それを活かし切れてないのが何とも勿体なく感じる場面でした。

あ、でもガウチョの歌い手がにわさん(奏乃はると)、つばさくん(天月翼)、たっちー(橘幸)だったのは良かったと思います!
でもどうせならスペイン兵側も歌った方が、対立関係も際立ったのではとか色々考えちゃう…歌うまのあみくん(彩海せら)とかもいたのだし。うーん…。


●Jazz Sensation!

さきちゃんを中心に、男役も娘役も踊りまくる賑やかな場面。
さきちゃんのジャズナンバーは歌もダンスもかっこ良かったし、ハードな振り付けをキレッキレのダンスで踊る雪組生も皆かっこよかった~!!
ブライアント先生の振り付けは男役も娘役もかっこいいですね。クール&クールって感じで大人っぽい雰囲気がジャズと合ってて良かったです。
そして叶ゆうりくんとヒメさん(舞咲りん)のデュエットの安心感よ…(笑)

…ただすみません、衣装がね~好みじゃなかった…!!
アースカラーのスーツorドレスにソフト帽って組み合わせは良いなと思ったんだけど、ペインティングが目立ちすぎてて何か気が散っちゃって。
あれがお洒落というものなんだろうなぁとは思いつつ、これはもう好みの問題だからしょうがないな!萌えないもんは萌えねぇ!!好みが合わず残念です!!


●Classic World(中詰め)

大人数で踊りまくる(だけの)場面が続くため、中詰め特有の「雪組勢ぞろい!壮観!!」感が薄れてしまったような…。
選曲もショパンの「革命」以外は「Music Revolution」との繋がりもあまり感じられず、とりあえず有名なクラシック曲を繫げましたって印象でした。
曲名でなくても、ベートーヴェンの「英雄」とか、チャイコフスキーの「1812年」とかフランス革命に縁がある曲を選んでも面白かったのでは?ラ・マルセイエーズのフレーズがちょっと流れたら、革命っぽさは滅茶苦茶出たと思うんですけど(笑)
とはいえ、あーさのソロ歌唱が凄く良くて益々力をつけてる様子にワクワクしたり、さきちゃんがソロで踊るところの振り付けがかっこいいのに最後の「ガオー!」が可愛くて癒されたり、だいもんのすんばらしい巻き舌にしびれたり、きいちゃん始め娘役たちの髪型や髪飾りが可愛くてキュンとしたりと楽しめる部分も勿論たくさんありました!
客席降りもあるし、何だかんだ言いつつ中詰めは盛り上がりますね。

…まぁ、この衣装も萌えはしなかったんですけどね!!
カラフルで可愛いから娘役は良かったんだけど、男役は…どうなんですかね、あれ…。


●Dance Revolution!

雪組精鋭ダンサーズの中に放り込まれてしまったひとこちゃん…という印象もある(笑)とにかくダンスがどえらい場面。
今作で退団するジジくん(凰華はるな)もしっかり見せ場を貰っていて良かったですね!!かっこ良かったよ~ジジくん!!
にしてもあんな大人数で、ひたすらフェッテで回り続けるってさぞかし大変なんだろうなと素人ながら思いました。
回転速度も調整しなきゃだし、靴だってヒールがついた靴で…皆千秋楽まで怪我無く終われますように!
この振付をつけたKAZUMI-BOY先生も凄いし、踊り切った組子たちも本当に凄い…!!
あ、あとこの場面が始まる時のひとこちゃんのソロ歌唱も良かったです!声が以前より伸びやかになったな~と感じました。
だいもんがトップになってから、雪組生の歌唱力が全体的に上がっているのをひしひしと感じます。すばらしきかな…。

しかしジャズ~中詰め~ダンレボと平場で踊る場面が続く+背景がやっぱり暗いのでどうにも地味に見えてしまったのが本当に残念。
やってることは!本当に凄いんだから!!もっと華やかに見えるように舞台を作ってほしい~!!


●Music is My Life

あれ、これ「Dramatic “S”!」の絆の場面リプライズ?
って思った方、多分他にもいらっしゃるのでは…???
衣装の色こそ薄緑から白に変わっているものの、全体的なシルエットとか雰囲気とか…物凄い既視感(笑)
だいきほの歌うナンバーは良い曲なんだけど、雰囲気といい真っ白な衣装といい、退団公演みたいでモヤモヤしちゃいました。歌は良い、歌は良いんだけど演出の仕方がさ~…!?
だいもんとカチャとあゆみさん(沙月愛奈)の絡みも同期愛を感じられて微笑ましかったですが、やっぱり退団公演みたいだし。
なんだか内輪受けっぽい印象もあって、個人的には今一つな場面でした。


●フィナーレ

え、もうフィナーレなの?ってびっくり。最初から最後までずっと踊ってただけでは…メリハリとは…。
えーと、ロケットは何の印象も残ってないのですが、その後のきいちゃん、カチャ、娘役たちのナンバーは素敵でしたね。
このトップ娘役を中心にした娘役たちのナンバーも凄くB先生らしいなと思いますが、今回は男役のカチャが参加してたのがちょっと新鮮だったかな。

で、その後に男役たちの黒燕尾!!イエーイ待ってました!!
大階段にずらっと並んだフォーメーションが綺麗だったし、黒燕尾の総踊りって有無を言わさぬカッコ良さがあるし満足感があるんだよな~。
黒燕尾の男役が放射状に並んで片膝を付き、中心でだいもんが踊る振り付けが印象的でした!あのトップスターに皆がひれ伏すかのような並び、しびれるわ~!!

しかしフィナーレで使われてる曲がティコ・ティコだったのにはびっくりした!いや、曲っていうより歌ったことにびっくり!!
よくあの速さの音程取れるなってのとよく口が回るなってのと…すごいなぁ。
…ただ別に頑張ってこれを歌わなくてもよかったのでは??と思わなくもなく。というのもテンポが速いから折角の歌詞が頭に入ってきにくくて勿体ないなぁって!
あれなら無理に歌詞をつけず、由紀さおり&安田祥子の「トルコ行進曲」みたいに音だけ出す歌い方でも良かった気がする。

あ、デュエットダンスがとても上品で美しかったのは良かったな~お衣装も素敵でした!
最後のポーズがまたね!きいちゃんが、自分のイヤリングとだいもんの上着のボタン飾りを「見て見て!お揃いなんです☆」と見せてくれてるようにも見えてとても可愛かったですw


というわけで全体的に歌もダンスも物凄くレベルが高いものを見せて下さってるのに、どうにも地味に感じてしまったショーでした。
宝塚のショーやレビューってコース料理のようなものだと思うんですよ。あれって最初から最後までお料理を楽しめるように、出てくるメニューごとに味付けや素材を変えて構成されてるじゃないですか。以前、どこかで「コース料理はシェフが考えた物語のようなものだ」という話を聞いたんですが、前菜、メイン、デザート、コーヒーって流れは確かに物語の起承転結っぽいなと。
それと同じで、ショーも場面ごとに違う魅力を味わった上で全体の流れを楽しみたいんです。
ミュレボはなんか、プロローグは天丼!次に牛丼!その次は親子丼で、中詰めは海鮮丼!!って印象でした。載ってる具は違うけどずっと丼物じゃん!!って感じ…伝わりますかね。
良く言えばダイナミックでボリューミー、悪く言えばおおざっぱで大味。

あとさ~、折角劇団屈指の歌うまコンビだいきほのショーなのだから、2人がガッツリ組んで歌う場面をもっと見たかったんだよね…。
あの2人ならブロードウェイっぽい場面を用意しても良かったのでは?だいきほがジャズを歌って、若手がタップダンスして~とか…いいと思うんだけど。
「Music is My Life」の場面で歌ってはいるけど、あの場面は89期がメインに見えちゃったし。
あ~やっぱり勿体ない!!雪組にはあんなに良い素材(スター)が揃っているのに~!!!もっと色とりどりで素敵な料理に仕上げて下さいB先生~!!!!


おまけ
●絡みについて

…お芝居の方でも思ったことですが、この公演にカチャを出す意味ってどれだけあったんだろーかとショーを見ても思いました。
私がのぞさき萌えしているからなんですけどね、どうしても「この場面、カチャが出演しなければのぞさき並びだったのかな…」とか考えてしまって。同期で共演したいっていうだいもんの夢が叶ったのは喜ばしいことですが、それはそれとして!!
だってさー、次回はのぞさきって別々の公演だし、大劇場も一本物でショーはないじゃん!?あと何回この2人の並びの作品が見られるかわからんのよ!?
私は!のぞさきが見たくて!!雪組公演のチケットを頑張って取ってるんですよ!!!(笑)

同じようにさききわ萌えしてる方なら、プロローグでカチャきわではなく、さききわの並びが見たかっただろうな~…なんて思ったり。ひらめちゃん(朝月希和)の組み替えが決まった今となっては余計に、ですよね。
スターが足りない公演であれば路線系専科を公演に参加させる意義はあると思いますが、この公演がそうだったとはどうにも思えなかった。
カチャが悪いわけではないし、東上主演もされてる方だから出番が多くなるのも分かる。
でもやっぱりモヤモヤしてしまうのはどうしようもないんだわ!!人間だもの!!

そう考えると、「ひかりふる路/SUPER VOYAGER!」の時のコマさん(沙央くらま)の使われ方ってとてもバランスが良かったのかも…。
お芝居でもショーでもしっかり存在感を示しつつ、組子の出番を奪っている印象は受けなかったんだよなぁ。特にショーなんて中詰めにも出てないんだけど、他の場面で見せ場がしっかり用意されている(+エトワールだった)から軽く扱われてるようにも見えないし、「DIAMOND SHOW TIME」から「SAILING DAY」の流れなんて本当に素晴らしかった。同じ「出航」でも見せ方の違いでこんなに対照的になるんだな~って感動したもんな。
元々雪組生だった方だから、雪組公演でご卒業っていうのも納得だったし。

願わくは、次々回の大劇場公演で雪組の爆萌えショーが見られますように…はぁ。

0 件のコメント: